求職者と採用する側に微妙な温度差があるのは本当か?
未曾有の大不況、派遣切り、就職難……。こんな言葉ばかりが並んだ’09年。今年こそは、いい仕事にありつきたいという人も多いはず。しかし、探す手段は公共機関や求人誌くらいしかないと思っている人も数多くいるのも事実だ。そんな人たちのために超お得な方法を紹介していく。どれも明日からすぐに実践したくなるものばかりだ。
ハローワークには、連日長蛇の列なのに、とある就職フェアでは……
求職者と採用する側に微妙な温度差があるのは本当か?
完全失業率は5%以上で有効求人倍率は0.5倍を切ったまま。ハローワークは2時間待ちも当たり前。そんな就職難が続いた’09年11月の毎日新聞に、「神奈川県で行われた『福祉のしごとフェア』がガラガラ」という記事が掲載された。このフェアには仕事があるのに、なぜこのような事態が? 主催者のかながわ福祉人材センターに話を聞くと……。
「正直、あの記事には驚きました。同会場の一日平均の来場者は’08年が160人程度だったのが、今年は約249人と増えています。他業種のフェアに比べると、多いとは言えないかもしれませんが……」(かながわ福祉人材センター・広報)
実際、有効求人倍率で「社会福祉専門業」は1.1倍。一般事務の0.12倍と比較すると10倍近い。この不況下でも、応募者が足りていない。やはり応募側に”3K”という印象が強いのだろうか。
「確かに『実際、どうなんでしょう』と不安そうな求職者の方もいます。しかし一定の厳しさが伴うのは、どんな職業でも同じはず。『介護・福祉はきつそう』という印象だけが独り歩きしているのかもしれません。初任給も大学平均と遜色なく、社会保険完備の施設もある。何よりやりがいがある職業だと思うのですが……」(同)
では実際の施設サイドの求職状況はどうか。同フェアに参加した、横浜の施設に話を聞いた。
「初任給は手取りで約20~22万円。月8回の休日のほか有給も月に1~2回あります。正直、人はいくらでもほしい。介護という仕事の性格上、むやみに採用するわけにもいきませんが、未経験・無資格の方への門戸も開いています。楽な仕事ではありませんが、笑顔があり、挨拶ができれば、この業界でやっていく素養はあると思います」(弥生苑・西山宏二郎理事長)
つまり社会人として当たり前のスキルがあれば、職にありつけるのだ。しかも前出のかながわ福祉人材センターによれば「もっと給与水準が高い施設もある」とか。
「ただし、『職にありつける』という安易な考えで就職しても、続かなければ意味がない。実際、真摯に福祉に取り組もうという人と、安易に職を求める人の意識に格差が広がっているようにも見えます」
やみくもにハローワークで並ぶだけでは仕事など見つからない。少し見方を変えれば、もしかしたら介護以外にも門戸を開いている職業もあるのかもしれない。
◆神奈川県横浜市にある特別養護老人ホーム「弥生苑」では、神奈川県のフェアのほか、東北での相談会などでも人材を募集している。
http://www.toureikai.jp/
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