原 正紀氏が断言!『こんな時代でも、転職できる術はある!』
原 正紀氏が断言!
こんな時代でも、転職できる術はある!
十分な行動量と業種の絞り込みで、就職難を勝ち抜こう!
「実は不況でも好景気でも、人材不足の業界は必ずある。有効求人倍率を平均で見ても、意味はない。都市部に限っていえば、働き口はいくらでもあるはずなんです」
というのは、就職支援を行うジョブカフェ・サポートセンター代表の原正紀氏だ。
「例えば、一般事務の有効求人倍率が0.12倍というのは当たり前の話。単なる事務職の正社員では、企業にとって付加価値が低い。もはや『OL』なんて言葉は死語に等しいかも。なのに”草食”と言われるほど、上昇志向を失った若者は、『綺麗なオフィスでラクな仕事を』と夢ばかり見ている。このミスマッチが『仕事がない』というイメージの元凶です」
実際、下記の職業別の有効求人倍率を見ても、同じ事務でも外勤事務の有効求人倍率は1倍。さらに「接客・給仕」は1.56倍で、クリーニングなどの「生活衛生サービス」に至っては1.82倍と圧倒的な人手不足状態なのだ。
「バブルが崩壊したときには、雇用が一気に冷え込みましたが、その結果企業内の世代断絶など、さまざまな問題が起きた。当時の経験があるから、多くの企業は採用を続けているんです」
では、どうすれば職探しが上手くいくのだろうか。
「就職率は、行動した量に確実に比例します。興味のある企業には電話をかける、手紙を書くなど、まずは動くこと。その際、業種なのか給与なのか、仕事内容なのか。せめて選択条件の優先順位ぐらいは整理しておきたいですね」
当然ながら、企業選びに際しては、情報収集が最重要項目となる。
「ハローワークなどの支援機関を活用することは大事ですが、そこにばかり安住していてはダメ。ほかにもネットのナビサイトやフリーペーパーといった媒体も利用する。また自分にコネがどれだけあるかを洗い出し、信頼できる相談相手は作っておきたい」
経済紙や業界情報誌、ビジネス誌など、就職に直接関係ないように思えるメディアから社会情勢を拾うことで、自然と職探しは楽になっていくはずだとも言う。
「そして一番大事なのは、業種を厳選すること。なかなか決まらないと、さまざまな業種に応募してしまいがちですが、そういう時こそ、あえて業種を絞って研究するべき。そうすれば、自ずと受けるべき企業が見えてきます。そうしたら、もうしめたもんです!」
◆職業別の有効求人倍率(含パート)
平成21年10月・厚生労働省調べ
一般事務……0.12倍
(総務、受付、秘書など)
外勤事務……1.00倍
(公共料金の集金、電気、ガスなどのメーターの検針など)
販売類似……1.74倍
(不動産の仲介、保険営業員、宝くじの販売員など)
接客・給仕……1.56倍
(飲食店のウエイター、ホテルマン、キャビンアテンダントなど)
生活衛生サービス……1.82倍
(浴場従事者、クリーニング工、美容師など)
【原正紀】
’59年生まれ。クオリティ・オブ・ライフ代表取締役。
経済産業省事業のジョブカフェ・サポートセンターの立ち上げなどを経て、現職。
近著に『優れた企業は「日本流」』(小社刊)
取材・文/高田純造 中尾 巴 水越恵理子 港乃ヨーコ 樋口 淳(本誌)
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