放射線量を正しく測定するために心しておきたいこと
放射線量測定値とともに、各誌とも競うように“ガイガーカウンターの使い方”を取り上げている。個人で買い求める人も増えており、正しい使い方を知ることは重要だ。大阪大学サイバーメディアセンターの菊池誠教授は、「ガイガーカウンターは、そもそも空間線量を測るにはあまり適さない」と話す。
「ガイガーは本来多くの放射線を浴びた物質の被曝量を測定するもの。東京のような線量が低い場所では正確な値は期待できないし、まして安い中国製などでは、細かい数値の違いを気にしても仕方ないでしょう。それでも、他の測定器と比較してその装置の特性を知ったり、β線を遮断するなど気をつけて、少しでもいい測定をすれば役に立つと思います。β線はアルミ板で簡単に遮断できます」
一方、物理化学が専門の小波秀雄京都女子大学教授は“平均値を取ること”を強調する。
「特に小さな値では、測定するごとに違う数値が出るのが当たり前。繰り返し測定して平均を取ることが大切です。また、1回だけでなく継続して測って、変化をつかむことも重要です」
なお、計測された時間当たりのμSvを被曝限度量の基準であるmSv/年に換算するには、測定値を9倍にすればOK。秋にはエステーから安価な家庭用線量計も発売されるし、心配な人はトライしてみてはいかがだろう?
取材・文/鼠入昌史
― 放射能[ガイガーカウンター測定報道]のウソ【4】 ―
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