アルミ缶つぶしが趣味? いまや立派な競技に
―[[ゼロ円・趣味道]の極め方]―
~ [ゼロ円・趣味道]を極め続けた達人たちの今 ~
◆アルミ缶つぶし アルミ缶代 0円
国際協会会長もいまだ、大会前は猛特訓!
「名刺代わりに」と阿部年雄さんが差し出したのは、つぶれたアルミ缶。「国際CANつぶし協会」会長らしい挨拶だが、なにをどうやると、アルミ缶つぶしが趣味になり、競技になるのか!?
「もともとはシーカヤックが趣味で、仲間と海岸でキャンプしたりすると、ビールの缶を潰して持ち帰るでしょ。そのとき、いかに小さく潰すかを競い合ったら、これが盛り上がったんです」。
そこで、50cmの正三角形の底辺両端に足を、頂点に缶を置き片足で一気に踏みつぶすという公式ルールを制定し、’96年に三重のシーカヤック行事でゲームを初披露したところ話題になる。
「カンタンだと自信満々で挑んだ人たちが、観衆の前で緊張して踏み外す。悔しがって次回はいつ?と、いつの間にか紀伊半島で密かなブームになっていました(笑)」
さらに仲間と専用計測器も手作りし、日本各地のほか米テキサス州で大会が開催されるまでになった。自宅ガレージには、大会用の大量の缶がストックされている。
「缶集めが大変で。自分たちで飲んだ缶や、知り合いからもらった安全な缶を水洗いして乾燥させます。一口にアルミ缶といっても、缶の上部の形や印刷によっても潰れやすさが違うので、いい記録を出すために、新製品は必ず試しています。大会前は特訓ですよ。ポイントは無心でやること。嫌な上司の顔を思い浮かべたりとか、邪念があるとダメ(笑)」
現在の世界記録保持者は岡山の会社員とのことだが、「世界チャンプになれる可能性は誰にでも十分あります!」と阿部さん。今すぐ、タダでできるアルミ缶つぶしで、世界一、目指してみる?
― [ゼロ円・趣味道]の極め方【6】 ―
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