歌舞伎町ホストクラブに通う女性たちの本音。クラスター大量発生でも…
新宿・歌舞伎町の「夜の街」は緊急事態宣言以降、一度は営業自粛するなど閑古鳥が鳴いていた。しかし今となって、複数のホストクラブで新型コロナウイルスの感染者が判明、有名店が謝罪する事態となっている。
「お休みの間に5~6回行ってしまったんです。そして5月の後半くらいから微熱が続き、咳も出ています。ニュースでも、歌舞伎町の夜の店でたくさん感染者が出ているってニュースを見て、やっぱりなって……」(坂田さん、以下同)
そう、坂田さんは5月に入って複数回、ホストクラブを訪れていた。表向きは休業中だったが、実はこっそり営業していたのである。
報道されている通り、歌舞伎町のホストクラブでは「クラスター」と呼ばれる集団感染も発生しており、数店のホストクラブはホームページやツイッターなどで、従業員に感染者が出たことを報告したうえで営業自粛している。
しかし、坂田さんが訪れていたホストクラブのホームページ上にはなんの告知もなく、そもそもホームページの更新自体が長く止まっているようだが……。
「実は4月の終わり、担当(坂田さんが指名するホスト)からラインが来て、何かあってもホストに行ったと言うな、って口止めされているんです。ネット掲示板では店で感染者が出たとか噂になっていて。担当にラインで聞いているんですけど、既読すらつかなくて……」
実は坂田さん、月に何度もホストクラブに通ったのは今回が初めて。1年ほど前に友人らと酔ったノリで訪れたことがきっかけで、たまに足を運ぶようになったという。コロナ前に訪れたのは今年の1月が最後。
なぜ、わざわざこの時期に通い詰めることになったのか。
「担当は人気があって、お金をたくさん使ったり、通い詰める客にしか優しくしてくれないんです。4月にラインが来て、コロナの影響で大変だからワンセットでもいいから来てとか、こっそり会いたいとか言われてうれしくなっちゃって」
この1か月、多い時では一度に20万円ものお金を使ったという坂田さん。客がほとんどいない店内で、担当以外のホストからもチヤホヤされて舞い上がり、思わず大枚を叩いてしまったのだと後悔する。さらに……。
「担当に嫌われたくないから、体調はずっと悪いんですけど、黙っていたいんです。会社や家族にもバレたくないし。若ければ死なないですよね? あと、お金がないからセクキャバで働こうかと思うんですけど、今はどこも雇ってくれなくて……。とある店に電話したら、時給が1000円なんて言われちゃいました。会社からも、まさかコロナじゃないよな? と疑われ始めたんで、もうこのままバックレるしかないですね」
話を聞いていくうちに、坂田さんの危機管理能力、認識の甘さが癪に触るように感じたが、兎にも角にも、まずは一刻も早くホストクラブに行っていたこと、体調が悪いことを保健所などの医療機関に報告するようアドバイスし、取材を終えた。
後ろめたいから、恥ずかしいから言わない、という理由では、また新たな感染拡大を生むことになる。<取材・文/森原ドンタコス>
東京都内の雑貨店店員・坂田ゆみさん(仮名・20代)は、勤務先の営業自粛による長い休暇を経て、6月1日から店舗に立つ予定だった。しかし電話取材時点(6月9日)で、坂田さんは自宅に引きこもる日々だ。いったい、何があったのか。
表向きは休業中、実はこっそり営業していた
ホストから頼られていることがうれしかった
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