夫婦間では月に1回以上SEXしなければ“セックスレス”と、日本性科学会が’94年に定義している。レスへの不満や焦りを感じる人がいるのは当然だが、夫婦や家族のありかたが多様化する今、その定義を真に受けてやみくもにレスの解消を目指しても、いい夫婦関係は築けないのではないか。セックスレス夫婦2組のカップルを交換し、本音をぶつけ合う“スワップ対談“を決行した。 Q．結婚相手とセックスレスだと思うか ・思う　34.3% ・どちらかというと思う　23.9% ・どちらかというと思わない　22% ・思わない　19.8% ※’18年、相模ゴム工業調べ ＝＝＝ ＜丸山夫婦＞ ▼丸山 豪（仮名・38歳）。広告代理店勤務。結婚10年目で子供2人。妻とのSEXは半年に一回。性欲は強いが、子づくりを機にSEXが義務化しレスに ▼丸山尚美（仮名・35歳）。小学校教員。夫とのSEX頻度が不満。「家族にしか見えない」という理由で断られるため、女性らしさを失わないよう努力 ＜倉田夫婦＞ ▼倉田敬史（仮名・37歳）。デザイナー。SEXをするのが億劫になってしまい、妻にアクションを起こせない。内向的なタイプで、浮気をする元気もない ▼倉田愛海（仮名・36歳）。不動産営業。結婚8年目。子供なし。レス当初は夫を誘うこともあったが、マンネリで3年間レス。家庭外に彼氏がいる ＝＝＝ 丸山尚美：私がセックスレスになったきっかけは、1人目の子供ができたタイミングですね。つわりがひどすぎたのに、夫がくっついてイチャイチャしてきたので「触らないで！」と怒ったんです。それが原因で、私に触るのを“怖い”と感じるようになったらしく、頻度がかなり落ちてしまいました。 倉田敬史：どれくらい減っちゃったんですか？　僕たちは、もう3年はSEXしてないですね。 尚美：長い！　私たちは半年に1回あるかないかですね。付き合ってるときは、会うたびにしてたんですけどね……。 敬史：僕たちも結婚1年目くらいまでは、いっぱいSEXしてましたよ。 尚美：夫婦仲はすごく良さそうですけど、レスになったきっかけって、何かあるんですか？ 敬史：決定打となった出来事はないので、おそらく僕の経験値が低くて、妻を飽きさせてしまったのかなと。 尚美：マンネリですかねー。それを打破するために、具体的に何かしてますか？　私は、子供を産んでから性欲が復活したので、エロい下着を買ったり、ダイエットをしてみたり。あとは“ゆるい”と思われたくなくて、最近膣トレも始めましたよ（笑）。 敬史：すごくけなげに努力しているんだ……。胸にぐっときます。僕も最初はチャレンジしてたけど、あっちがアクションに気づいてくれなくて、自分の中で億劫になってきて。今は「一緒にいて楽しいからいいや」って感じです。 尚美：夫とSEXについて話したときに、「家族感があって、できない」と言われたんです。なので、その“家族感”を払拭するために、ひとつひとつの原因をつぶしていきたいと思って。夫婦でレスについて話す機会ってあります？ 敬史：話し合い……ないですね。前向きな話し合いができないと思ってしまって、僕から話題にもしてないし。これは僕の甘えが原因なので悪いと思っています。ほかのことでケンカしても、「どうせSEXしないじゃん」「結婚してる意味ないよね」と言われることも。 尚美：レスについての話し合いができないのは、奥さまはツラいかもしれませんね。私は「結婚と恋愛は別じゃないし、恋愛の延長線上でするもの」と思っているので、家族になったからってSEXをやめるのは納得いかない。だから、「結婚してる意味ない」という奥さまの気持ちはすごくわかります。 敬史：そうですよね。実は今、妻は外にパートナーがいるんですが、そこには干渉していないです。妻のことをどうでもいいって思ってるわけじゃなくて、「誰かが自分のできないことをカバーしてくれてるなら感謝すべき」なのかなと。夫婦のベストなありかたじゃないかもしれませんが、妻とギクシャクした関係になることのほうが僕にとってはツラいので。 尚美：えぇ……。他の人とのSEXを許容できるのはすごいですね。 敬史：もちろん嫉妬しないわけじゃないですが、僕はアクションすら起こせていないから、仕方がないと思っているんです。 尚美：私は夫が他の人としていたらと考えると、絶対に無理、許せないです。私は職業柄、新しく出会う人がほとんどいないなか、夫は仕事でも飲み会でも新しい出会いがあるので、いつも不安で胸がつぶれそうになります。レスを解消したいという気持ちはあるけど、もししなくても、日々早く帰ってきて家族との時間を過ごしてくれたら、精神的なストレスは軽減されると思うんですけどね。 敬史：そういう要望含めて、コミュニケーションを取っていけたらいいですよね。妻が前に「絶対に子供が欲しいわけじゃないけど、SEXしないからその可能性すらないのがツラい」と言っていたんですが、僕はそういう自分の思いやコンディションすら、伝えられてませんでした。 尚美：私も自分なりに努力はしていたけど、一方通行だったかも。夫と話し合ってみて、それでもしてくれなかったら、私も外に彼氏をつくろうかな（笑）。 ★別の“レス夫婦“と話してみて…… 敬史「自分の気持ちやコンディションを妻と話し合うべき」 尚美「ストレスを軽減するSEX以外の方法も夫に伝えたい」