「ストリートファイターV」の達人に聞く“プロゲーマー正社員”のリアルな日常
コロナ禍の「巣ごもりコンテンツ」のひとつとしてゲームや「eスポーツ」への注目度が増している。とはいえ、eスポーツに参戦する選手たちの生活や懐事情については一般的にほとんど知られていない。
そこで今回はプロゲーマーチーム「TEAM iXA」に所属し、「ストリートファイターV」シリーズをメインに活動するストーム久保氏を直撃。
「僕は正社員としてお給料をもらいながらゲームに没頭していますね」
2018年、「EVO JAPAN 2018」で上位8位に入賞した実績から、カプコン推薦枠選手としてJeSU公認プロライセンスが発行された久保氏。中学生の頃、ゲームセンターでプレイしたのがきっかけでゲームにハマって以来、ゲーセンに入り浸るようになったと振り返る。
「休日は開店から閉店まで本当にゲームしかやっていませんでしたね。当時はプロゲーマーという職業も日本に存在していなかったし、ゲーセンの大会で優勝しても景品しかもらえなかったような状況を考えると、正気の沙汰ではなかったと思います。仕事になるか……以前に100円払ってお互いのプライドをぶつけ合う世界ですので。5~6人のグループでいつも遊んでいたんですが、10年来の友人も『プロゲーマーになれてよかったね!』というより、『まぁ、なるしかなかったよな……』という感じです」(久保氏、以下同)
久保氏はプロになる2年ほど前にいったんゲームから離れた時期もあったそうだが、別のプロチームに1年間所属した後、昨年「TEAM iXA」に移籍。一般的なスポンサー契約ではなく“プロゲーマー正社員”として、ゲームに専念しがら毎月給料が発生するかたちで活動しているが、プレッシャーを感じて悩むことが多かったようだ。
「いまは好きなゲームしながら、お給料もらって……おかしな話だとも思いますが、チームに所属してお給料をもらって初めて、自分がちゃんと仕事をしている実感が湧きました。月収は平均的な会社員と同レベルか、イベントやメディア出演のギャラ、自分のYouTube動画の再生数などに応じて歩合給がプラスされると、ちょっと多いレベルかなと思います。去年は結果を出すことが仕事という意識が強すぎて、試合で結果を出せなかった時期はかなりキツかったです」
久保氏は現在、同チームを運営するヤルキマントッキーズ社に“プロゲーマー正社員”として雇用されている。コロナ禍の影響やプロゲーマーのリアルな暮らしぶりをうかがった。
ゲーセン通いから「プロゲーマーになるしかなかった」
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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