「20時閉店よりも私語禁止に」独自のコロナ感染対策をするカフェの工夫
新型コロナウイルスの感染が再び猛威を振るうなか、1月7日、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)で緊急事態宣言が発令された。飲食店には、20時までの営業時間短縮が要請されている。その直前、1月5日に高円寺カフェ「yummy」のFacebookに投稿された内容がツイッターにも転載され共感の声が集まった。
<きっかり「20時閉店」にするが、その時間までなら今まで通り店内で飲食するのがいいかというと、それも疑問。問題は飲食時にマスクを外しておしゃべりすること>
そこで、私語禁止のJAZZ喫茶スタイルにて営業すると決めたというのだ。大胆にも思える喫茶店の「私語禁止」。
店長の羽根真紀さんは「私語禁止」スタイルを思いついた経緯についてこう話す。
「お店をオープンした当初にお店に特色を持たせるために好きだったオーディオ類にこだわり、ちょっといいものを揃えたんです。とはいえ、音楽カフェとしてオープンしたわけではないのでこれまでずっと一般的なカフェとして営業していました。
前回の緊急事態宣言の際にテイクアウトのみでの営業をしていたのですが、『私はこんなことがやりたくて店を始めたわけではないのに』というモヤモヤがありました。そのとき、もし次に緊急事態宣言が出た場合には安全に店内営業をしたい、そのためにはどうすればいいのか……とずっと構想を練っていました」(羽根真紀さん、以下同)
そして1月頭、また緊急事態宣言が出そうだと話題になり、羽根さんは一気に構想を形にする。
「どうしても飲食をするときにはマスクを外さないといけないですけど、同時におしゃべりをすれば飛沫感染のリスクが増します。そこでおしゃべりの方を禁止したらいいんじゃないかな、と思いつきました。でもそれだけでは面白みがないので、せっかく店内に揃えた良いオーディオで大きめに音楽を流すことでお客様に楽しんでもらえたらと思ったんです」
今回、この投稿は大きな反響を呼んだ。しかし羽根さんは「おもしろい」とか「珍しい」などのリアクションがあるとは思いも寄らなかったという。
「あれだけ“会食をすると飛沫感染が……”と言われているのに、私語禁止に驚かれるのは意外でした。20時までなら今まで通り飲食していいと、時間で制限されてしまうのは違うと思ったんです。
もともと私語禁止の店はあったはずで、たとえばJAZZを聴くためのライブハウスはいわずもがな私語禁止の場所です。もともと私語を話す場所ではないのに『ライブハウス』というくくり全体でイメージが悪くなってしまうのは悲しいですね。換気さえしっかりしていればいい場合もあるのに。なので、私の発信によって反響が得られるのなら、もっとそうした業態のお店についても知ってもらえたら嬉しいです」
なぜそのようなスタイルにしたのか、実際のお客さんの反応はどうだったのか。店主に話を聞いた。
“20時までなら今まで通りでOK”と時間で決めるのは違う
大きな反響に驚いた
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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