マスク警察vsマスクしないおばさん2人組。勝ったのはどっちだ
今や当たり前の光景となったマスク姿。多くの施設では来場者にマスクの着用を義務づけており、ノーマスクの人の入場をお断りしているところも少なくない。
だが、日本は海外とは違い、違反者に対して罰金や拘束もありうる法的な強制力を伴うものではない。あくまで“お願い”ベースのため、注意する人たちとの間でのトラブルが各地で頻発。
「あれは昨年12月上旬の土曜日の出来事です。ずっと自宅に籠りっぱなしだったのでたまには外に出ようと休日を利用し、同じ県内に走っているローカル線に乗って日帰りの旅をしていたときでした」
ちなみに列車は1両編成で乗客は約15人。まだGo Toトラベルが中断になる前で感染者もあまり出ていない地域ということもあり、ほぼ全員が行楽客だったそうだ。
ところが、途中駅で地元の人と思われる40代らしき女性2人組が乗車。なんと彼女たちは最初からマスクを着けていなかったのだ。
「同じ乗客でも家族連れや友達同士のグループは会話をしていましたが、彼らは全員マスク越し。だから、喋りながら車内に入ってきて、席に座ってからも周りを気にすることもなく大声で喋り続けるおばちゃんたちに勘弁してくれよ~とは内心思っていました」
ただし、自分の座席からは少し離れていたこと、注意する勇気もなかったので放置していたとか。それでも走行中の騒音にも負けないほどの話し声だったため、窓からの景色を眺めながらも気になって何度も2人をチラ見。なかでも通路を挟んだ反対側の席に座っていた20代と思われる若い男性はイラついている様子だったという。
「時刻表を持っていたから鉄道ファンだと思います。私と違ってジロジロと見ていて、相手に気がつかせようとしたのかもしれませんね。途中でわざとらしい咳払いなんかもしていましたから」
しかし、おばさんたちは若者からの無言の圧力にもまったく気づかなかった。たまに大きな笑い声を挟みながら自分たちの会話に夢中になっていたそうだ。
彼女たちが乗車して15分以上その状態が続き、折原さんもその若者ほどでないにしてもイライラがかなり溜まっていたとのこと。すると、若者がスッと立ち上がったかと思うと、隣のおばさん2人組に近づき、「すみません、マスクを着けてもらえますか?」とハッキリとした口調で告げたのだ。
でも、自分たちの話に集中していたのか何を言われたのか分かっていない様子で、若者のほうをジーッと眺めていたおばさんたち。1~2秒その状態が続いた後、聞き取れてないと思ったのか若者は再びマスク着用を2人に促したそうだ。
「今度はちゃんと聞こえたらしく片方の女性が『あら、ごめんなさいね~』と謝り、どちらの方もすぐに荷物からマスクを取り出して着けていました。心の中で青年よくぞ言ってくれた!と思いましたがこの直後、もう1人の女性がまったく悪びれた様子もなく『怒られちゃったね。フフフ』と笑いながら口にしたんです」
この態度には折原さんもさすがに怒りを覚えたが、だからといって何か言うこともできず腹立たしさだけが募っていったという。
自営業の折原徹さん(仮名・37歳)も、移動中の列車内で大声で喋るマスクしないおばさん2人組に遭遇。それを注意するマスク警察の若者との攻防の一部始終を間近で目撃している。
列車の中でマスクをせずに大声でお喋り
注意されても「怒られちゃった」と笑い、反省の色なし
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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