地下アイドルに求められる過酷すぎる条件。下ネタや炎上芸、過激化するグループも
いまや日本が誇る一大カルチャーといえる「アイドル」。PerfumeやBABYMETALのように海外公演を行うほどの知名度を誇るグループから、小さなライブハウスで活動を行う「地下アイドル」まで、その裾野は広がっている。
地下アイドルはファンとの距離感が近い。それが魅力のひとつではあるのだろうが、精神的な負担も大きい。
先日、“自由奔放悪ガキアイドル”を掲げるアイドルグループ『プランクスターズ』のメンバーが「ヲタクが気持ち悪い」と発言して脱退したというニュースがSNSやネット記事で大きな話題を呼んだ。Twitterの公式アカウントによれば、脱退発表の約1か月前、そのメンバーは「プランクスターズのライブスタイルがどうしても汚く気持ち悪く生理的に無理、又同等にプランクスターズのヲタクが気持ち悪いと感じるようになり精神的に限界」とうったえていたという。
また、これがSNSで注目を集める最中、『プランクスターズ』は新メンバーを募集した。しかし、その条件に困惑の声も少なくなかった。
・ネットの誹謗中傷に耐えられる方
・自分の推しだったはずの人が別の人のヲタクをしていても耐えられる方
・特典会で自分の列が少なくても耐えられる方
など、まさに輝かしいアイドルのイメージとは裏腹の「耐えられるかどうか」というメンタルを重視するものだったのだ。
『プランクスターズ』は歌唱力や力強いパフォーマンスに定評がある。だが、過去にはステージで生魚や墨汁、シャンプーを撒き散らし、ライブ中にパンツを脱いだり生着替えしたりすることも。ファンが上半身裸になって盛り上がることもあった。脱退したメンバーにとっては、そんなスタイルが受け入れられなかったのだ。
とはいえ、裏を返せば、この条件から今のアイドルたちが成功するのが、どれだけ大変なことなのか見えてくる部分もある。
「自分もアイドルが好きで、人を笑顔にしたいと思ったんです」
みかさん(仮名・22歳)は、某アイドルグループのメンバー。アイドルとしての活動歴は3年の中堅。都内にあるライブハウスやアイドルイベントなどでライブ活動を行っている。やはり今のアイドルに求められている条件は、“強靭なメンタル”なのだろうか。
「ネットの誹謗中傷については、プランクスターズに限らず、アイドルをやっている以上は避けられないものだと思う。チェキや握手などの特典会で、自分の列だけお客さんが少ないという状況もありえます」(みかさん)
だが、増えすぎたあまりに生き残りをかけて必死だ。カワイイだけでは有名になれない。個性を出すため、SNSまで含めてパフォーマンスが過激化、炎上することも珍しくない。なかには握手会やチェキ会などでファンとの「接触」をウリにするグループまであるほどだ。
実際、夢半ばで去る人も多い世界。もはや、並大抵のメンタルではつとまらないのだろうか。今、地下アイドルシーンはどうなっているのか。今回は、現役の地下アイドル二人に、匿名を条件に話を聞いた。
アイドルの「ヲタクが気持ち悪い」発言が大きな話題に
求められているのは強靭なメンタル?
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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