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“四球攻め”に苦しむ大谷翔平。それでもMVPはほぼ確定か?

本塁打王争いは熾烈だが、MVPは大谷選手で決まり?

大谷翔平

9月24日のマリナーズ戦では、2度の申告敬遠を含む4四球。四球でも歴史的な記録を打ち立てるのか……

「おい、逃げるな!」  ランナーなしのケースでも一塁に歩かされる姿を見て、思わずそんなヤジを飛ばしたくなる人も多いのではないか。  目下ゲレロJr.(ブルージェイズ)、ペレス(ロイヤルズ)と熾烈な本塁打王争いを繰り広げている米メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平が執拗な“四球攻め”に苦しんでいる。  メジャーではマイナーなアジア系選手に本塁打王を獲らせないための差別では? といった懸念も広がるが……YouTubeチャンネル「Sho‐Time Talk」で大谷選手の最新情報を発信している在米ジャーナリストの志村朋哉氏は次のように分析する。 「大谷選手との勝負を避ける最大の理由は、彼が本当に怖い打者であるから。一時期は際どいボール球に手を出していたが、最近調子が上向きになってからは手を出さない。だから投手もカウントが不利になれば、球数をムダにするよりは申告敬遠で歩かせるようになった。やはり大谷はメジャーのなかでも次元が違うということですよ」  主砲を務めるトラウトとレンドンが故障で戦線離脱している影響も大きい。大谷を抑えれば勝利がぐっと近づくため、「ひと振りで試合を決定づける長打力がある大谷に対して残り6試合でも“四球攻め”は続く」(志村氏)という。このままでは本塁打王だけでなく、MVPも暗雲が立ち込めてしまうのではないか? 「MVPを決める投票権がある記者たちは、WAR(打撃、走塁、守備、投球の総合的な評価で貢献度を表す指標)を重視している。この数字は大谷が大きくリード。かりにゲレロJr.が三冠王を獲っても、大谷の二刀流は100年に一度の大偉業、もしくは現代野球では史上初であるとデータが示している。いまシーズンを終えてもMVPはほぼ大谷でしょう」    25日の本拠地アナハイムでのマリナーズ戦で、4試合13四球とメジャータイ記録に。目の肥えたメジャーの観客たちから沸き起こるMVPコールは、勝負してもらえなくても、すでに“勝負”がついたことの証明だろう。

全米でのフィーバーにはチームの勝利が不可欠?

 米国でも止まらない大谷人気。 「今シーズンは日本人のみならず、多くのファンが大谷選手のユニフォームを着て応援。彼が打席に立つと球場の空気が一変する。みんな一球一球を食い入るように見ていて、まさにワンマンショー。それでも、まだ全米が熱狂とは言いすぎですね。やはりワールドシリーズでの活躍を見てみたい」(志村氏) 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/USA TODAY Sports/ロイター/アフロ ※週刊SPA!9月28日発売号より
週刊SPA!10/5号(9/28発売)

表紙の人/ TIF選抜

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