『クロヒョウ2』プロデューサーはジャングルクルーズの船長だった
―[小川陽二郎氏インタビュー]―
ゲーム業界のキーパーソンが登場! 【 トップクリエイターの仕事場】
◆【前編】 「演劇との出会い」
『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』のプロデューサーを担当しました小川です。プロデューサーは、周囲に目配りし、全体を把握できる人が向いていると思うんですけど、僕は小さい頃、本当に協調性ゼロの子供でした。みんなで絵を描く授業でも、ひとり別の場所で描いたり……。中高時代も相当ドライでしたね。でもこんな僕でも変われるものです。
自分が変わるきっかけになったのが、大学の演劇サークル。そこで初めて仲間と一緒に何かを作る楽しさや、相手の気持ちを考える重要性を知りました。お酒の飲み方を教わったのもそのときです。飲み会の仕切りってゲーム制作に似ているんですよ。参加者をどう楽しませるかを考えて、飲み会のコンセプトを設定する。それによって座る順や料理の内容、頼むタイミングも変わってきます。二次会用の店の候補や全員の終電時間も頭に入れておかなければならない。演劇サークルの飲み会で覚えた、全体への気の配り方が今でも役に立っていると思います。
実はセガに就職できたのも、言ってみれば演劇のおかげです。大学の夏休みに某テーマパークでバイトをしたときに、ジャングルクルーズの担当になったことがあります。ファンレターをもらったこともあるんですよ(笑)。それで、就職活動のときに履歴書の特技欄に「ジャングルクルーズの船長」って書いて会社を回ったところ、各社、反応が良かったんですが、セガだけに「実際にやってみて!」と言われて……。仕方なく「みなさん、こんにちはー」と演じ切りました。でも面接官はノーリアクション(笑)。それでも、これが内定の決め手だったと思っています。お芝居との出会いこそが今の僕の原点ですね。
【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/185562
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【小川陽二郎氏】(セガ)
’95年、セガにプランナー入社。『ソニック』チームを経て、『クロヒョウ』プロデューサーへ。『君のためなら死ねる』なども手掛ける
(C)SEGA
『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』 ゲームの中なら“ワル”になれる! |
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