入浴剤のバブ「ブクブク中の入浴は間違い」の理由。メーカーに聞いてみた
手軽に疲れを取ることができ、長年にわたって不動の人気を誇る入浴剤「バブ」。湯に入れるとブクブクと泡がでる様子が「よく効きそう」と感じさせてくれるため、溶かしながら入る人も多いだろう。しかしそれは誤った入浴法だという。なぜ間違いなのか、正しい入浴法はどういったものなのか、開発元である花王株式会社に聞いた。
「今日1日疲れたな」という日は、浴槽にちょっと熱めの湯を張って入浴し、そこに「バブ」をポトンと落とす。湯の底に沈んだ錠剤からブクブクと炭酸ガスの泡が発生し、体を伝っていく。それを感じると、体から疲れが溶け出すように思える。
しかし、湯に浸かりながら、空になったバブの袋を眺めていると、裏面に赤い文字で「1錠溶かしきってから入浴してください」と記載があった。まさに今やっている、溶かしながら入るのが間違いということだ。
このブクブクがバブの醍醐味の一つで、これが普通だと思っていた筆者は、Twitterで知人にアンケートを取ってみた。43人から回答が得られ、そのうち筆者と同じように「溶かしながら入浴する」という人は86%にものぼった。この割合から見ても、多くの人が誤った入浴方法でバブを使っていることになる。
では一体、なぜ溶かしながら入ってはいけないのか。花王株式会社パーソナルヘルスケア研究所の田辺雄一さんは次のように話す。
「まず、『バブ』は入浴剤の中でも、薬用入浴剤と記載されているように医薬部外品なんです。医薬部外品はテレビCMなどでもお聞きになったことがあるかもしれませんが『用法・用量を守って』お使いいただくことが法律で定められているんですよ。入浴剤の中にも医薬部外品と、浴用化粧料がありますが、『バブ』は一部の製品を除き前者なんです」
医薬部外品は厚生労働省から承認された「効能」を表示することができる。確かにバブのパッケージに効能として「疲労・肩こり・腰痛・冷え性」と書かれている。
「その効果は、正しい用法・用量のもとで得られるものなので、正しい用法で入浴いただくことをお願いしています。正しい方法というのが、溶かしきって入っていただくことです。商品の設計としても、溶けきってから効果がえられるようになっています」
効果を正しく得られるように、溶かしきってから入浴することは理解できた。では逆に、溶かしながら入ることでのデメリットはあるのだろうか。
「発泡中は香りに敏感な方には本来の設計通りの香りに感じられなかったり強く感じられたりすることがあり得ます。また、溶けている最中の錠剤に顔を近づけたりすると咳き込んでしまうこともまれに想定されますので、溶かしながら入るのは避けていただきたいですね」
筆者がTwitterでとったアンケートでも「咳き込んでしまった」という声があった。子供は特に、あのブクブクを喜ぶこともあるかもしれないが、なるべく避けた方が良いかもしれない。
ブクブクさせて入浴する人が大多数
なぜ溶かしながら入ってはいけないのか
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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