ズボラ飯の代表ともいうべき「たまごかけごはん」。シンプルな素材だけでパッと食べられるのが魅力だが、「美味しい食べ方」は存在するのだろうか。そこで、ズボラ飯ながらより美味しく食べる方法を一般社団法人たまごかけごはん研究所の代表理事である上野貴史氏にきいた。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます ーーご飯・醤油・たまごだけのシンプルなものしか使わない料理ですが、作り方や分量で、味に違いは出るんですか？ 上野貴史代表理事（以下、上野）：はい、全く変わってきます。まず、それぞれの黄金比からお話ししますね。ご飯150gに対して醤油7g、たまごはMサイズを1個です。 ーー一般的にスーパーなどで売られているのは、Lサイズだと思いますが、なぜMがいいんですか？ 上野：たまごは、Mサイズまでは全体の大きさとともに黄身も大きくなるんですが、それ以上になると白身だけが増えるんです。白身はほとんど水ですのでLサイズだと水っぽくなってしまいます。価格帯でいうと、1個40円以上のたまごなら、おおむねどなたでも美味しいと思えるたまごだと思います。 ーーご飯の炊き具合などにこだわりはありますか？ 上野：つや姫やササニシキなどの系列に多い「粒しっかりめ、粘り少なめ、味濃いめ」のお米が最適です。それを硬めに炊いてください。たまごかけごはんって「飲み物だ」という方もいて、お米を感じない食べ物だと思われています。ですが、粒がしっかりしているお米を固めに炊くことで、ご飯一粒ずつを感じられます。 ーー醤油はどんな種類が合いますか？ 上野：スーパーなどで「たまごかけごはんに合う」と書かれた醤油も売ってありますが、そういった商品は、安い卵の水っぽさを補うために出汁などが入っています。その中だと、薄口醤油をベースに作られていて、魚介系の出汁が使われているものがいいですね。ただし、牡蠣やホタテの出汁だと、味が強すぎてたまごの旨味に干渉してしまうんですよ。私たちの研究では、しじみ出汁が入ったものが一番合うという結果が出ています。