
パリッコのチェーン店ひとり酒(イラスト/パリッコ)
焼肉の食べ放題という文化はかなり昔からあるようで(三重県松阪市の「ドリームオーシャン」が昭和33年に始めたのが元祖と言われている)、僕が10代のころにも、もはや店名を忘れてしまったが地元に謎の個人店があり、友達とたまに利用していた。値段は確か千円台くらいだったと思う。肉の質はお世辞にも良いとは言えなかったが、懐を気にせずお腹いっぱいに食べられるありがたさと、自分たちで肉を焼くというちょっと大人になったような気分が、やたら楽しかったことを覚えている。現在も多くの有名チェーン店で採用されているシステムだ。
そんな焼肉食べ放題を売りにした店で、最近名前をよく聞くようになったのが「焼肉きんぐ」。なんと全国に350店舗以上を展開する人気チェーンだそうだ。近年の僕は食が細くなり、食べ放題というシステム自体に恩恵を感じる気持ちは減ってきてしまっているものの、いつのまにやら地元にもできていた焼肉きんぐは、前を通るたびに少しだけ気になっていた。一度、行ってみようか。

「焼肉きんぐ」
「約3杯で元が取れる飲み放題」を攻める
とはいえ、すべての肉を満喫できる最上級の「プレミアムコース」(店舗によるが税込4,818円〜)ではなくていい。最安のコースで、選べる範囲の肉を焼きながら酒を飲めればそれでいい。焼肉きんぐの定番は「58品コース」(3,278円〜)で、一番人気は「きんぐコース」(3,718円〜)だそうだが、さらにお得なコースがあった。それが「ランチ食べ放題コース」。僕が訪れた練馬石神井台店の取材日時点の価格で、2,508円。幼児は無料、小学生は半額らしく、家族連れにも優しい設定だ。

食べ放題メニュー
続いて飲みものの検討に移る。ランチタイム限定の「ソフトドリンク飲み放題」が319円とかなりお得だが、僕は酒を飲みに来ているのだ。アルコール類は「キリン一番搾り(中)」が550円、各種サワーが429円など一般的な価格。それを考えると、圧倒的にお得な選択肢がある。「ソフトドリンク+アルコール飲み放題」(1,639円)!

飲み放題メニュー
ちなみに食べ放題の時間は100分で、ラストオーダーはその20分前。かなり余裕があるし、そもそも僕が、1時間40分もひたすら焼肉を食べ続けられるわけもない。後半は酒がメインになってゆくだろう。ならば、約3杯で元が取れてしまう飲み放題を選ばない手はない。
結果、合計で4,147円という、ランチにしては豪遊すぎる値段になってしまうが、きちんと満足感があるならば、たまの贅沢としてはありと考えよう。
当然食べ放題には肉以外のサイドメニューもあり、定番の「キムチ盛り合わせ」と生ビールを注文し、いざ、焼肉ランチ飲み開始!

「キムチ盛り合わせ」

「キリン一番搾り(中)」
景気づけのキムチをつまんで、ビールを遠慮なくぐびぐび。金額を気にしなくてもいくらでも飲めるという開放感で、ビールがよりうまい。

カルビ・ロース
さて、いよいよここからが本番。ランチ食べ放題はきんぐのなかでもっともお手頃なコースだけど、それでもかなりの種類があるな。タッチパネル式のメニューはジャンルごとに、カルビ・ロース、タン・ハラミ、豚・鶏焼肉、旨辛焼肉、アウトドアスパイス「ほりにし」を使った肉のコーナーなどに分かれていて、それぞれにいろんな部位がある。他に、焼き野菜、キムチ・ナムル、逸品、麺・スープなどのページも充実。さらに追加できる薬味も豊富にあり、僕は「おろしにんにく」と「コチュジャン」をもらっておくことに。

タン・ハラミなどなど
プレミアムコースなどと比べると、牛よりも豚と鶏の比率が多いのはしかたないポイントだろう。うまければいい。
まずは軽めのところから、「きんぐ塩タン【ポーク】」「やみつきハラミ【ポーク】(塩)」「幻の鶏ハラミ(塩)」を注文。すぐに配膳ロボットが席まで注文を届けてくれた。

肉第一弾到着
焼肉きんぐの売りのひとつがこの「お席で注文 食べ放題」のシステムで、店名ロゴにまでその文言が書かれている。確かに「自分、食べすぎかな……?(自分の場合は、飲みすぎかな……?)」などと店員さんの反応を気にしなくていいのは、とてもありがたいポイントかもしれない。

豚タン、豚ハラミ、鶏ハラミ

薄切りで大ぶりのタン

直火で焼いて

いただきます!
さっそく豚タンから焼いていこう。網にのせるともくもくと煙を上げながらどんどん焼けてゆく景気の良さは、焼肉店ならでは。卓上には「特製本だれ」と「レモンだれ」が用意されており、もともと味つきではあるけれど、それらをちょんとつけたバージョンも合わせて3種類の味で。コリコリと歯ごたえが心地よく、薄いから重さもなくて、ものすごくうまい。豚でもぜんぜん満足できるタンだ。

どんどん焼いていこう
続いては豚と鶏のハラミ。どのへんが“幻”なのかはわからないものの、香ばしい香りをまとったぷりぷりの鶏ハラミがうまい。ただ、さらに感激してしまったのが、豚ハラミ。信じられないくらい柔らかくジューシーで、僕の大好きな豚肉ならではの旨味がぎゅぎゅっと詰まっており、問答無用で大好きな味だ。もはや、この肉だけの食べ放題でもいいくらい。

甘辛いたれにつけても最高
しかもどの肉も脂がしつこくないので、まだまだいくらでも食べられそう。いきなり楽しぞ、きんぐの食べ放題。さっそくビールがなくなってしまったので「はちみつレモンサワー」とやらをもらってみよう。酒場だとプレーンチューハイやホッピーばかりの自分だけど、酒に関してもちょっと冒険できるこの感じは、飲み放題ならではだ。

「はちみつレモンサワー」