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IQ150でも職場のお荷物に? 知られざる高IQ・ギフテッドの悩み

高IQ・ギフテッドの悩み

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高いIQを誇る「ギフテッド」だが、順風満帆とはいかないケースもある

 数年前より、メディアに登場しはじめた「ギフテッド」という言葉。アメリカ教育省ではギフテッドを「同世代の子供と比較して、突出した知性と精神性を兼ね備えた子供」と定義しており、日本でも「特定分野に特異な才能のある児童生徒」(文部科学省)とされている。  高いIQや突出した才能を持つがゆえ、超人のように思われている彼らだが、異能者であるがためはみ出し者となり、彼ら特有の“生きづらさ”や人間らしい悩みも当然生まれる。  そんな、ギフテッドたちの本音を、まずはJAPAN MENSA会員であり、IQ150の認定を受けた藤井達也さんの経験談を通じて紹介する。 「もしかしたら、自分は周りの人よりもIQが高いのか……?」  そう感じ始めたきっかけは中学三年生のときに塾で受けた模試だった。数学で偏差値80の成績を叩き出したのだ。数値化された学力に初めて驚いた。特段模試の対策をしていたわけではない。それなのに何故これだけの成績を収めることが出来たのだろう?  もとより算数や数学は大好きで、子供の頃から車のナンバープレートを見かけては四則演算をしたり、ドラえもんの学習教材を通じて自分から算数を学んだりしていた。中学生になってからも、難しい設問に直面すればするほどワクワクしながら解いていた。早い話、「数字に触れて考える」ことが好きで、気付いたら勉強していたのだ。「でもこれだけだと、自己分析としてはちょっと弱い気がする……」そんな自分探しの時間は、高校入試まで続く。

たいした勉強をせずに地元のトップ高校に合格

 気付いたら勉強していたという感覚が強かったため、高校受験に対してもそれほど必死で勉強していたわけではない。そうこうするうち、第一志望校の入試が2週間前になっていた。自分があまりにも勉強をしていなかったため、そこから尻に火がつき、ようやく受験勉強を開始した。その結果、地元のトップ校に入学することになった。 「俺、メチャクチャ要領いいじゃん!」  再び訪れた驚きとともに、自分の持つ素質も見えてきた。物事の要点や規則性を掴むのが早いのだ。勉強していると「この項目のポイントは〇〇で、問題としてはこんな風に出題される」といったことが見えてくる。友人から質問された場合にも、この素質は活かされた。  相手がどこを理解出来ていないのかを瞬時に掴み、話の展開を読んで回答するようにしていた。自分としては当たり前のことだと思っていたのだが、どうやらそうではないらしいということをこのときに知った。  もっとも、私は一般的な学歴を歩んではいない。大学は横浜国立大学理工学部に進学したが、当時、自分のやりたいことがわからずこのまま卒業しても良いのだろうかと感じ、他の勉強や職探しに時間を使うようになった。  結局、就職サイトを経由して採用が決まったため、中退することになる。“はみ出し”はこの時から発現していたのかもしれない。  
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最高評価で入社した会社を1年でクビに!
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