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ホストに泣かされても「青春」。ホス狂いが寝る間も惜しんで稼いだ大金を貢ぐワケ

 近年、TwitterなどのSNSでは「ホス狂い」という言葉を目にする機会が増えた。ホストに狂っている、ハマっている女性のことだが、“担当”(指名しているホスト)への愛や憎しみだけではなく、なかにはそれをアイデンティティとして“誇示”するようなアカウントまで見られる。
新宿の歌舞伎町

新宿の歌舞伎町

 風俗で働くなどしてホストに大金を貢ぐ女性は古くから存在していたが、どこか様子が変わってきている。今回は、『ホス狂い』(鉄人社)の著者である大泉りかさんに、彼女たちの実態を語ってもらった。(記事は前後編の後編) 【前回記事】⇒身体を売ってもホストに貢ぐ“ホス狂い”の実態「担当に使うという目的があるからこそ働ける」

ホスト業界は史上最高に過熱

大泉りか

『ホス狂い』著者の大泉りかさん

——ドラマ化もされた漫画『明日、私は誰かのカノジョ』でもホス狂いの描写が話題になりました。いま、ホスト業界は盛況なんですね。 大泉:史上最高に過熱していて、ホストたちの売上も底上げされているらしく、昔は“1億プレイヤー”って歌舞伎町に十数人でしたが、現在は100人以上、“5億円プレイヤー”までいます。特にコロナ禍は、一時は街を歩いているのは若い女の子とホストだらけでした。 ——前回の記事では「ホス狂いは(大金を稼げるような)“選ばれし者”しかなれない」とのことでしたが、そもそも彼女たちが風俗で働き始めたきっかけは、どういったものでしょうか。 大泉:取材をしたなかでは、道端でキャッチされたり友達に「一緒に働かない?」と誘われて、なんとなく働くようになった子が多い印象です。最初にインタビューした子は、ホスト遊びにハマって風俗で働き始めたそうですが、ゆるいパパ活は高校生からやっていたとか。

ホス狂いは、律儀な子ばかりだった

——彼女たちは家庭環境が特殊だったり、経済状況が悪かったりするのでしょうか。 大泉:一般的な家庭で育った子が多かったです。ただ、学費や奨学金返済のために、風俗で働き始めるパターンはありました。むしろ裕福な家庭なのに学費を出してもらえていない子もいて。学費を稼いだ後も風俗で働き続け、いつしかそのお金がホストに流れるようです。 ——大泉さんとしては、ホス狂いの子たちってどんな印象でしたか? 大泉:意外と邪気がないというか。スレていないし、律儀な子ばかりでした。時間も守るし、ドタキャンもしないし、だからこそ、ホス狂いも続けられるんだろうなと思いました。  根掘り葉掘り話を聞かれるのもあまり抵抗がないみたいで。担当と店がバレることに対してはナイーブでしたが、原稿チェックもこっちが不安になるぐらいゆるかったです。
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「歌舞伎町のベテランホストは、みんな1回は刺されたことがある」
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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ホス狂い
ホス狂いと呼ばれる女性の多くはデリヘルやソープ、パパ活などで稼いだお金をホストに注ぎ込んでいる。担当に請われるまま数百万のシャンパンタワーを入れ、時には売掛まで作る姿は、痛ましい。しかし、彼女たちがホストにダマされ、搾取される被害者に見えるとしたら、それは少し現実とは違う。むしろ彼女たちは、自分たちが営業されている=金銭が介在した関係と知りながら、ホストに課金し続けるのだ。果たして彼女たちはなぜ、ホストに狂うのか。
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