更新日:2023年02月24日 10:52
エンタメ

水道橋博士が議員辞職。“たけしイズム”は「精神に負担の大きい芸風」なのか

文/椎名基樹

水道橋博士のバイタリティーと勝負強さ

水道橋博士

水道橋博士 公式Twitterより

 水道橋博士が国会議員を辞職した。うつ病で議員活動を休むことを発表したばかりだった。博士は、2018年に体調不良で休養している。この時も多分うつ病だったのだろう。  博士が当選したときに、大逆転で運命を切り開く姿に、私は非常に迫力を感じた。「勝負強えなぁ……」と思わず唸った。  最近の水道橋博士は、先述の病気休養もあり、「30年ぶりに地上波レギュラーがなくなった」と告白していた。所属事務所であるオフィス北野は消滅して、博士にとっては神のような存在であった、師匠のビートたけしと距離ができてしまった。博士にとっては受難の時期のように見えた。  そんな時に国会議員に出馬という大勝負に出て、当選を果たし、水道橋博士の価値をもう一度上げた。そのバイタリティーと勝負強さに、私は非常に迫力を感じた。その矢先にそれを手放さなければならなくなった博士が、なんとも不運に思える。

「たけしイズム」を体現する弟子たち

 同じ凄みを、たけし軍団の先輩である、東国原英夫にも感じた。宮崎県知事に当選して、未成年との淫行という致命的な事件をひっくり返して、ビッグカンバックを果たしたことは、迫力満点の執念である。  彼らの師匠のビートたけしは、フライデー襲撃事件で仕事を失ったとき、弟子たちに「こういう時こそ勉強をして力を蓄えるチャンスだ」と語ったと言う。ピンチをチャンスに変え、あくなき向上心を保ち続ける水道橋博士と東国原英夫は、ある部分の“たけしイズム”を最も体現している弟子たちのように思える。
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水道橋博士の芸風が精神に与える負担が大きいのか
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1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina

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