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食洗機選びで迷ったらドイツ製一択なわけ。ガゲナウってなに?

今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに一般視聴者の心をつかみまくっている。そんな押村が普段オススメしているもののひとつに、ドイツ製の食洗機「ガゲナウ」がある。あまり聞き慣れないこの食洗機。いったいどこが優れているのかを本人に聞いてみた。 ガゲナウメイン

いまだに「手洗い」の呪縛から逃れられない日本人

「ガゲナウがなぜいいのかって言ったら、世界最高峰の逸品だからですよ。YouTubeでもそうですけど、僕がわざわざメーカー名や商品名を挙げるのは、その一点に尽きます」 動画同様、迷いのない口調で押村が切り出す。もちろん自信を裏付ける論拠も持っている。 「まずね、世界で売れている食洗機というのがドイツ製しかない。日本製なんて全然出回っていないですよ。理由のひとつは歴史の長さ。ドイツ製と日本製だと、前者のほうが50年ぐらい長い。その分、積み重ねてきた厚みがあるんですよ。なぜ日本は遅れてしまったのかって? 日本人はずっと『家事は自分でやらなければいけない』『手洗いのほうがきちんと洗っている』という意識を持っているからですよ。日本における食洗機の採用率は、いまだに30%ぐらいですからね」 言われてみると確かに、日本人は、とくに年配の方の多くは体を使わない家事に対して「手抜きしている」という価値観がまだまだ存在する。また、食洗機の性能の差も、「手洗い必須」のイメージに拍車をかけているらしい。 「日本で食洗機というと、先に汚れを落としておく予洗いをすると思っている人が多いですが、その思い込みは日本製の洗浄力が低いから。ドイツ製には当てはまりません」 両者には、水道や電気というインフラの違いもある。 「水道代がね、ドイツは日本の2.6倍ぐらいだといわれているんです。だから、水を効率よく使える食洗機を生み出す必要があった。結果、性能が進化したという面もある。もうひとつ、電圧は海外の多くが200Vなのに対して、日本は100V。そもそも熱を作るパワーが違うわけです」 ちなみに200Vのドイツ製を日本の家庭に入れることは、さほど難しい作業ではない。もし「できない」といわれたら、単純に施工する人の「やる気がないだけ」と押村は切って捨てる。
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国内よりも世界で評価されている製品を選びたい
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(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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