会社帰りの電車の中、ふと窓に映った自分を見て思わず目を背ける。いつの間にこんなに老けたのだ。カラダが重たい。顔が疲れている。まぶたが開かない。老いは確かに忍び寄り、人をとらえるのだ。今回は専門家たちに“今すべき老けない方法”を聞いた。老いを受け入れるのも人生だが、抗うのもまた人生だ。
最新の美容トークに花が咲いた座談会
右からオカルト編集者の角由紀子氏、漫画家のまんきつ氏、漫画家の鳥飼茜氏
“30代に見える80歳を目指す”と銘打った美容イベントを不定期で開催する女性たちがいる。美容漫画が話題の漫画家まんきつ氏をはじめ、オカルト編集者の角由紀子氏に漫画家の鳥飼茜氏と、美容に関して一家言ある3人だ。
集合するや否や、最新の美容トークに花が咲く。こう見えて全員40代。美容に消極的な男性たちをどう見ているのか、語り合ってもらった。
まんきつ(以下、まん):若い男性は美容を楽しんでるよね。たまに行く美容室の男のコは整形をオープンにしているし、ウチの高校生の息子もピーリングやネイルをしてる。こんなふうに、おじさんたちも美容を楽しめたらいいのに。
鳥飼:キレイになることに抵抗がないよね。ウチの中学生の息子も、私が勧めたものは素直に取り入れてる。ただ“続けるとこうなれる”っていうモデルがいないと継続は難しいみたい。
角:男性が筋トレをするのは、モデルとなるような同性が周りにいるからですよね。
鳥飼:最近、ある中年の男性作家がパートナーの徹底的な食事管理でキレイに痩せて美しくなってたんだよね。自分をケアすることに目覚めた男性に、感動すら覚えた。
角:そういう、もともとはカッコよくないけどカッコよくなった男性のモデルケースは参考になるはず。YouTubeでも“中年男性 変身”と検索してみてほしい。それから、シリコンバレーの有名テック企業にはキレイな男性が多いんですよ。
彼らは“35歳以上に見られたら負け”という世界で、みんなアンチエイジングをしてる。“50代でも30代の見た目を目指す人が多い”という海外の記事もよく見ます。プーチンや習近平ら世界の首脳陣を見ても、とにかく若い。
鳥飼:確かに。プーチンの肌のハリはすごいもんね。
角:習近平も70歳近いのにあの毛量ですから。ちなみにウチの父親は75歳になってから、シミ取りやインプラントを始めました。おまけに黒ごまのペーストを毎日スプーン2杯食べていたら、半年くらいで白髪頭のテッペンだけ黒くなって。変なカッパみたいになってました。
まん:ウチの父親も70歳を過ぎてからシミ取りをしてた。その理由は、女。ある日“あ・い・し・て・る”ってメールを打ってるところを見ちゃったの。女っていっても、飲み屋のお姉ちゃんなんだけどね。
でもこうやって男性はアンチエイジングしていくと、すごく楽しいと思う。私はコツコツやりすぎて、ドラクエでいうと肌レベル99まで到達して伸び代がない状態。でも中年男性はちょっと何かをしただけで、キレイになれる。レベル1から始められることがうらやましい。
「自分をケアすることに目覚めた男性には感動すら覚える」(鳥飼氏)