部下の素行が悪いと感じたら、それを食い止めることは上司の大切な役目です。他の社員を巻き込んだりする場合は言語道断。そういう時は断固として厳重な注意を促すことが当然でしょう。今回は、そんな厳重注意が発端となった想定外のエピソードを紹介します。 　都内の不動産販売会社で営業部長を務めている富田さん（仮名・39歳）。毎年10人程度の新入社員が入社するそうですが、今年は例年になくその顔ぶれに特徴があったそうです。 「今年は珍しく女子の比率が高かったんです。それもほとんどが営業希望のエネルギッシュな女性たちで、みんな大学時代はスポーツに打ち込んでいて、いわゆる体育会系だったんです。例年にはない顔ぶれで、なんだか新鮮でしたね」 　嬉しそうにそう話す富田さんは、もうひとつの新入社員の傾向についても語ってくれました。 「あと、珍しく男子は3人だけなんです。まぁ、みんな誠実そうな人柄で、量より質で結構期待しているんですが、その中の佐藤くん（仮名・23歳）という男子が、なんて言うか、モデルみたいな超イケメンなんですよ。イタリア系アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんのハーフらしく、大学時代にアメフトをやっていたせいか、体形もガッチリしていて……」 　ところが、佐藤くんのイケメンが原因なのか、新人女子の間で不協和音が響くようになったそうです。 「あんなにモテモテだった佐藤くんなのに、周りの新人女子があからさまに態度を硬化しはじめたので、理由を尋ねてみたんです。すると佐藤くんが軽いノリで複数の新人女子たちをもて遊んでいたらしくて……。まあ本人いわく、あくまで自分流のコミュニケーションであって悪気は一切ないって言い張ってるらしいんですけどね」