半年で大学を中退して農家に。SNSを活用も「周囲に認めてもらえず」…それでも諦めなかった女性の挑戦
「農業」の過酷な印象を一新すべく日々奮闘しているのが、只野夢子さん(28歳)だ。北海道の広大な畑から各種SNSを通じて「農家の日常」を発信。つまり今時では、「生産者の顔」どころか人となりまでも把握できてしまうわけだ。さて、現在は一定数のフォロワーがつき、売上も安定しているというが、ここまでどのような道のりを歩んできたのだろうか。自身のキャリアや農業のやりがいについて語ってもらった。
北海道石狩市で『YUMEYASAI』という野菜ブランドを立ち上げた夢子さん。実家も農業に携わっていたこともあり、いずれは野菜にかかわる仕事に就くことを考えていたというが、ある出来事が彼女の情熱に一気に火をつけた。
「農業関連の大学に通っていたんですが、両親から『野菜を販売するときのポップを作ってほしい』と頼まれまして。赤や黄色を使って目を引くカラーリングにしたり、保存方法やオススメの食べ方を書いたり、100円だったらワンコインとすぐにわかるようなスタンプを入れたポップを作りました。その後、私がデザインしたポップの評判がよかったという話を聞き、『農家の両親を販売や広報の側面からも手伝いたい』と思うように。大学を半年でやめて実家の畑に入るようになりました」(只野夢子さん、以下同じ)
周辺の農家が使うポップに書いてあるのは野菜の名前と値段だけ。工夫を凝らした夢子さんのポップは、新しい風を巻き起こしたのだ。
力仕事で泥にまみれるイメージも強い農業。実際にその世界に飛び込んでみて、どんな苦労があったのだろう。
「小さい頃から手伝いはしていたので、イメージはできているつもりだったんですが……。実際にやってみると、種まきや草取りなど、地道なことを“毎日続ける”ことは大変なんだなと実感しました」
業務自体の大変さ以外に、自身の育てた野菜をブランド化する際にも困難があったと夢子さんは話す。
「ブランド名を打ち出して販売しようとした時も大変でした。ブランドシールを作って野菜に貼っていたら、周囲の農家さんや直売所のスタッフの方に『こんなシール貼っても意味ないよ』と、強めに否定されて悔しかったですね」
SNSで「農家の日常」を発信することについても、なかなか周囲に認めてもらえず、苦しんだ時期が3年ほどあったという。それでも、自分を信じ続けたことで、世間から注目されるように。販売数も右肩上がりに上昇していった。
両親から「ポップ作り」を頼まれたことがきっかけに
現場に入って直面した現実の壁
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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