「2m20cmの髪」から丸刈りに…“日本一髪が長い女性”が病気で髪を失って気づいた「自分の武器」
かつて“日本一髪の長い女性”と称された神戸リン(@rin_rapunzel)さんという女性がいる。美しく黒光りする彼女の髪は、最長でなんと2m20cmにも及んだ。たえまぬ日々の努力と忍耐によって、ようやくたどり着いた境地なわけだが、好事魔多し。数年前に意図せずして失う事態に直面してしまう。劇的な人生を歩む神戸さんに事の顛末について語ってもらった。
2002年〜2006年頃、クラブイベントなどに出演するダンサーとして生計を立てていた神戸さん。当時は、髪を伸ばしてはおらず、ウィッグをつけて様々な髪型で表現をするのが彼女のスタイル。髪を伸ばし始めたのは、勤めていた旅行会を辞めダンスで生きていこうと一念発起しニューヨークに渡ってから。
「ありのままの自分を表現することが求められましたし、そうでないと勝負にならない環境。色々な国籍の女性がいる場所に身を置くなかで、私は“アジアの美”に誇りを持って戦いたいと思うようになって。アジア人女性のアイデンティティの一つである『地毛の黒髪』を綺麗に伸ばして踊ろうと決意し、髪を含めた全身で勝負するようになりました。目標としては昔話の『かぐや姫』や、平安時代のお姫様のイメージです」
とはいえ、長すぎる髪はダンスをするうえで邪魔になることもあるだろう。神戸さんも当時は足首まで切りそろえていたという。それから2m20cmまで伸ばすことになったきっかけは、エンターテイメント界に大きな影を落としたある出来事だった。
「コロナが広まって人を集めるショーができなくなりました。その時にロングヘアーモデルとして生計を立てるようになったんです。それによって、長ければ長いほど希少価値が高まって仕事が来るんですよね。ダンサー時代は多少切ってはいましたが、伸ばしていた期間は合計で18年くらいになります」
これだけ髪が長いと、気になるのはシャンプーやドライヤーの時間。神戸さんはどのくらいの時間をかけていたのだろうか。
「シャンプー/トリートメント/ドライヤーのセットで3時間くらいかかります。なので、洗髪する日をスケジュールに組み込んでいました。内訳でいうと、シャンプーとトリートメントで1時間半くらい、そしてドライヤーで1時間半くらいですね」
神戸さんはこれほどの大仕事を一人でこなしていたというが、シャンプーなどの減りも私達よりも圧倒的に早そうだ。
「実は他の人とそんなに変わりません。なぜなら、シャンプーは基本的に頭皮を洗うために使うからです。ただ、トリートメントは髪全体に使うので、7回使ったら1本がなくなってしまいますね」
18年間伸ばした髪は、「2m20cm」に
洗髪は「3時間かかる」
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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