更新日:2024年09月19日 16:18
スポーツ

セ・リーグの優勝争いが佳境に。「最終盤までもつれた過去のシーズン」を振り返ってみた

いよいよ佳境にむかえているプロ野球。パ・リーグはソフトバンクが独走状態で優勝マジックを淡々と減らしている。セ・リーグの優勝争いは、巨人、広島、阪神の「三つ巴の争い」となっている状況だ。本記事では、これまでプロ野球から高校野球まで野球関係の記事や書籍を幅広く執筆している野球著作家のゴジキが、最終盤までもつれた3つのシーズンを振り返りつつ、今後の展開を予想してみよう。
読売ジャイアンツ 東京ドーム

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2007年は巨人・中日・阪神のデッドヒート

2007年は、シーズン終盤まで巨人・中日・阪神のデッドヒートとなり、最終的には5年ぶりに巨人がリーグ優勝を果たした。巨人は、チームリーダーだった小久保裕紀がソフトバンクに復帰したが、日本ハムの小笠原道大がFAで加入。また、トレードで入団した谷佳知が2番打者として復活を遂げたのもこの年だ。 内海哲也や高橋尚成、木佐貫洋を中心に先発陣も好調なことから、開幕からチーム状態が良く、4月から6月終了時点で首位に。 しかし、夏場から投手が打ち込まれる場面が多くなる。これが小笠原が調子を落として、得点力が低下した時期と重なった。これにより、巨人は7月を大きく負け越して、後半戦は中日・阪神との三つ巴の戦いとなった。 8月、9月は3チームとも譲らず各チーム首位に立った。特に、9月7日からの東京ドーム対阪神戦では、桧山進次郎が巨人の守護神・上原浩治から勝ち越しホームランを放って勝利し、その勢いのまま、3タテで10連勝を飾った。その後の甲子園での試合でも負け越し、巨人は3位にまで転落するのだ。

中日の一騎打ちを制した一戦

しかし、ここで食い下がらないのがこの年の巨人だった。9月19日の試合で内海が好投して阪神の勢いを止めると、逆に阪神はここから大型連敗に。優勝争いから脱落した。 以降は、巨人と中日の一騎打ちになった。直接対決の天王山1戦目は、タイロン・ウッズの意表をつく盗塁や井端弘和の気迫の内野安打などで中日が勝利し、マジック7が点灯。 次試合も4回にウッズが同点ホームランを放つも、その直後の阿部慎之助の満塁ホームラン、5回の高橋由伸のホームランで突き放して勝利し、再度首位に入れ替わった。 3戦目は初回に4点を許すが、李承燁が同点ホームランを放ち、8回裏、脇谷亮太が決勝ホームランで勝利。その勢いのまま2002年以来のリーグ優勝を決めた。 この年の巨人の勝因は、投打の運用がうまくハマったことだろう。前年までエースだった上原がクローザーに回って、大車輪の活躍を見せ、不安定だったリリーフ陣を立て直した。また、野手に関しても脇谷、木村拓也、古城茂幸をうまく運用し、外野陣も調子を見極めた上での起用が当たっている。
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勝負強かった2010年の“落合中日”
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野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55

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