47歳元カリスマホスト城咲仁が「実家の中華料理店」で働くワケ。涙が止まらなくなった“父の言葉”
「世界一美味い親父のチャーハンの味を守り日本中に届けたい」
そんな想いで立ち上がった男がいる。元カリスマホストで、現在はタレントとしてテレビやYouTubeなどで活動している城咲仁さんだ。城咲さんの父親である岡山実さんは、東京都板橋区で、連日行列が絶えない超人気中華料理店「丸鶴」を営んでいる。
お店で大人気の「チャーハン」の味を受け継ぐべく、タレント活動の傍ら父親の下で過酷な修行を行った城咲さん。だが、父親から受け継いだのはチャーハンの味だけではなかった。
城咲さんは、父親のチャーハンを冷凍商品化して通販で全国に届けることを目指し修行を開始。何百回と鍋を振り、時には父親に頭を下げ鍋を振ってもらい、仕上がった直後の味を確認しては再び鍋を振る日々を送っていた。
「3年くらい前に修行を始めたのですが、腱鞘炎の一種である『ばね指』になってしまうくらい、毎日鍋を振っていました。チャーハンって、簡単そうに見えて実はメチャクチャ難しいんですよ。ラーメンは茹でる時間、麺の堅さとスープの濃さを間違えなければ失敗することはないのですが、チャーハンは仕上げるまで全て手作業なので、ちょっと集中力を欠いて雑に作ると、お米がダマになったりすることもあるんです」
そんななか、遂に自分のチャーハンを認めてもらえたのは奇しくも修行の最終日であった。
「初めて親父が認めてくれた時のことは今でも覚えています。親父が『あ、これ。このチャーハンだよ。これは美味い。これ忘れんなよ』って言った瞬間、涙が止まらなくなって、店の外に出て泣きました。自分では楽しんでやっていたつもりでしたが、やっぱり毎朝4時にお店に入って鍋を振っているのに全然認めてもらえない悔しさもあって……。今でもあの時のことを思い出すと胸が熱くなりますね」
そんな過酷な修行中、城咲さんにとって、今でも心に残っている父親との会話があった。その後の生き方にも大きく影響し、今の仕事において最も役立っている父親の一言があるという。
「修行中、親父に『お前さ、この仕事で一番大事なこと、楽しいことってなんだと思う?』って聞かれたことがあって。僕が『お客さんに美味しいって言ってもらうことでしょ』って答えたら、『違うよ、仕込みだよ』って言うんです。仕込みで手を抜いたら絶対にダメ。逆に仕込みが上手くいけば美味しいものが作れる。仕込みの一から十までを完璧に揃えるところに仕事の重要さと面白味があるのだと」
そんな話を聞いた城咲さんは、現状メインでやっているタレントの仕事を振り返ってみたところ、あることに気づいたのだ。
「今はテレビショッピングの仕事がメインなのですが、自分が紹介する商品に関しては徹底的に知識を入れていたんです。生放送だから視聴者からラインで質問が来ることもあるのですが、どんな質問が来ても100%躊躇なく答えられる、生産者と同じレベルで挑んでいました。それで気づいたんです、『あぁ、これが仕込みか』って。自分が今までやってきたことと、親父の想いは同じだったんです」
父親のイズムが自分にもあったことに気づいたわけだが、それと同時に父親に比べたら自分の仕事ぶりはまだ甘いことを知る。そこで、さらに磨きをかけるための努力を惜しまなくなったという。
「自分では100%準備していたつもりでも、まだまだ甘かったんです。ウチの岡山実という偉大な親父の『とことん準備』というものが入ったことで、もっと細かいこと、今までだったら端折っていたこと、もしかしたら番組としては必要ではないかもしれない情報まで頭に入れておくようになりました」
さらに、チャーハンの修行をしたことで、仕事に向き合う姿勢にも変化があったそうだ。
「この商品があるから僕は番組に出演できる。だから、この商品を徹底的にリスペクトし、絶対に良いモノだということを世の中に知らしめるんだ、という情熱を持って紹介するようになりました。それくらいしないと想いって届かないんですよね。そしたら番組のスタッフにも言われたんです、『仁さん、チャーハンの修行に入る前と後で言葉の重みが全然違いますね』って」
辛い修行と熱い想いが生んだ涙
父から教わった“仕込みの重要性”
チャーハン修行後の仕事に対する変化
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
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X(旧Twitter):@sagyosakurai
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