次の利上げは2025年1月?業界歴35年の人気FPが「今から政策金利1%に備えたほうがいい」と警告する理由
2024年は日本銀行(日銀)の金融政策によって大きな変化が起きた年だった。3月には10年弱続いたマイナス金利を解除。そして7月には政策金利が0.25%に引き上げられた。12月の追加利上げは見送られたものの、銀行預金の金利が上がった一方で住宅ローンの金利も上がり、「これからどうなるんだ…」と不安を抱える人も多いはず。
「日銀の政策変更によって、日本には約30年ぶりに『金利のある世界』が戻ってきました。しかし、長く低金利時代が続いたせいで、40代以下の人は『低金利の日本』しか知らないんですね。金利が変わると様々な金融領域に影響が出てきます。だからこれからは、金利上昇時代に適した“お金の新常識”を身につけないとダメです」
そう話すのは、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏だ。深野氏は業界歴35年の大ベテラン。東京証券取引所や金融機関のセミナーに講師として呼ばれるなど、レジェンドと呼んで差し支えのない存在だ。
そんな深野氏の新刊『金利で損しない方法、教えてください!人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』では、まさに金利上昇に合わせて「どのようにお金を増やすか?守るか?」というマネープランが細かく解説されている。では、バブル期の高金利時代から低金利時代まで日本経済を見続けてきた男は、今後の金利の動きをどう見ているのか? 日銀は12月の利上げを見送ったが、果たして2025年はどうなるのか……予測を聞いた。
最初に私の予測をお伝えします。恐らくですが、2025年1月には金融政策決定会合を通じで利上げが行われるでしょう。現在の政策金利0.25%から0.25%の引き上げが行われ、0.5%にすると思っています。
そして、日銀は2025年度(2026年3月末)のうちに数回の利上げを行うつもりだとにらんでいます。それぞれ0.25%×2~3回の利上げを行い、「政策金利1%」を早期に達成したいと思っているはずです。
もちろん、植田日銀総裁のコメントなど読む限り、日本の賃金上昇や米ドル/円を中心とした為替の動き、米国経済の動向など様々なファクターが絡んでの決断になるので、経済状況次第では思惑通りに事を運べない可能性も十分にあり得ます。特に1月に発足するトランプ政権の動きも気になります。
ただ、植田日銀総裁の言葉を借りれば「経済データがオントラック(想定通り)に推移」すれば、政策金利1%は十分にあり得るシナリオだと思っていたほうがいいでしょう。なぜなら、ほかならぬ日銀の審議員が「2026年度中に1%に」という目標数値を発言しているからです。
数回の利上げを経て「政策金利1%」を目指す
1
2
ファイナンシャルリサーチ代表。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。その後、1996年に独立し、現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴35年(2024年10月現在)を誇り、そのキャリアを通じて日本経済の浮沈を見守ってきた。メディア出演やセミナーを通じて、資産運用や住宅ローン、生命保険、税金、年金など幅広く「お金の知識」を発信している
記事一覧へ
『金利で損しない方法、教えてください!人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』 金利が上がると…世の中どう変わるの⁉ |
記事一覧へ
ハッシュタグ