更新日:2012年05月11日 16:11
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コンプガチャ以上!? 消費者庁が措置命令を出したヒドい事例集

コンプガチャ 連休明けから各所で話題となっている、一連のソーシャルゲーム、コンプガチャ問題。消費者庁の「景品表示法に抵触する可能性がある」との見解を受け、先日9日にDeNA、グリー、ミクシィ、NHN Japan、サイバーエージェント、ドワンゴで構成する6社連絡協議会は5月末までにコンプガチャを廃止する方針を表明した。  特定のアイテムを全て揃えると特別なアイテムがもらえる「コンプガチャ」。ネット上では以前から高額課金に結びつきやすい仕組みへの批判や、数万円の課金をしてしまったユーザーの悲鳴なども見受けられ、オークションサイトでレアアイテムが数万円、モノによっては10万円以上の値をつけるなど、確かに「異常」な加熱ぶりであることは否めない。  また消費者庁は9日、昨年10月に公表した「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」に、業者などに依頼してクチコミを書いてもらう、いわゆる「ステマ」を具体的な事例として追加。これでステマも景品表示法で禁止されることとなった。  その他にも同庁サイトでは、景品表示法に違反し実際に措置命令や注意勧告などを出した事例を公開しており、中には驚くようなケースも散見される。いくつか例を紹介しよう。 ◆ レギュラーガソリンをハイオクと偽って販売 レギュラーガソリンを「ハイオク」と偽り2年もの間販売を続けていた業者が話題となった。先月のニュースなので覚えている人も多いだろう。単純に詐欺のような気もするが、この事例には実際の品質よりも優良だと消費者に思わせる「優良誤認」に当たるとして措置命令が下された。見た目では判断できない商品の偽装なだけに、かなり悪質な手口だ。 ◆ 焼肉の「ロース」は四分の一がロースじゃない?  2010年から2011年の間、焼肉業者12社にヒアリング調査を行ったところ、うち3社が「ロース」の表示がある料理にロースを使っていなかったことが判明。指摘を受けた焼肉業者3社は実際にロースを使う、ロースの表示を削除するなど改善措置を行ったものの、12社中3社が偽装していたとは驚きだ。 ◆「無菌生かき」に無菌処理をしていない! 「無菌生かき乱れ食い祭!!」「バブルとオゾンによる殺菌システムで無菌化」と景気の良い宣伝文句と、特別な処理技術が並ぶポスター。しかし実際の生かきには無菌処理を行われていなかった。扱いが難しく、当たりやすい生かきの不当表示は、特に危険なケースといえるだろう。他にも食品関連ではうなぎや牛肉の産地偽装、蕎麦の成分偽装などに措置命令が出されている。 ◆「ダイビングライセンス取得1万円ポッキリ」じゃなかった!  1万円でスクーバダイビングの免許を取得できる、と申し込んだは良いが、2万円の教材と16万円のドライスーツの購入を迫られた。古くからある詐欺商法の手口だ。また昨年11月には複数のスクーバダイビングショップで、講習、機材レンタル料金に不当表示の恐れがある旨の注意事例が出されている。レジャーや観光地での「ぼったくり」には気をつけたい。 ◆「他社平均より安い」「いつもより安い」のはずが? 「他社の平均価格より◯%安い」といった比較広告。葬儀業者のケースでは他社の費用を割高に表記し、自社があたかも有利なように見せていた。また「いつもは◯円のところ…」と書いておきながら、一度もその価格で販売した実績が無いケースもあった。これらは自社製品が有利に見せるための「有利誤認」と呼ばれる手口で、違法広告にあたる。 ◆ ポイントカードの扱いにも注意 「105円で1ポイント、通常3倍、土日6倍」と広告を出したドラッグストア。しかし実際には105円で平日は3ポイント、土曜日曜は6ポイントとなっており、「105円で1ポイント」の曜日は無かった。消費者に実害はないとしても、これも「今なら得」という感情を煽る「有利誤認」。素直に「週末は2倍」とだけ書いておけば良かったものを… ◆ 紳士服販売業者5社の「全品半額」は誇大広告?  よく見る紳士服屋の「全品半額」。しかし実際に来店すると半額にはクーポンが必要だったり、一部商品のみ半額だったりと、どうも広告に書いてあることと違う。また「2着目半額」といったよく見かける宣伝文句も割引に細かな条件が設定され、それが解かり難く表記されていることもあるので気をつけたい。どの会社も似たような「解かりづらい誇大広告」ばかりの業界が、消費者を得るのは難しいだろう。  などなど、企業や業界への不信感を抱いてしまう事例は少なくない。これらの事例と照らし合わせて、普段の生活で目にする広告や商品に疑問を感じた人も多いのではないだろうか。引き続き消費者庁には、国民が適正に商品・サービスを選択できる環境が維持できるよう監督・指導を期待したい。また消費者側も「美味しい話には裏がある」ことを忘れず、響きの良いキャッチコピーに騙されないよう気をつけよう。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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