ランボルギーニの教習費は約43万円!
ロシア国境にほど近い内モンゴルに、中国、マレーシア、シンガポールなど、アジア圏の金持ちが集まっている。彼らの目的は、ランボルギーニ、ポルシェといった高級車で凍った湖の上を走り、かっこよくドリフトを決めること。そんなセレブのお楽しみ、ランボルギーニのウインター・トレーニングに参加してみました!
川端由美=文 Text by Kawabata Yumi
人生には想定外の出来事というものがある。子供の頃はスーパーカー消しゴムをボクシーのペンで飛ばしていた“スーパーカー少女”だったけれど、まさか大人になった自分が、内モンゴルの氷上で大出力のランボルギーニをドリフトさせることになるとは、想像できなかった。
目的地は、ロシア国境にほど近い「牙克石(ヤクシ)」という街。北京経由で内モンゴルの玄関口であるハイラル空港に降り、さらにバスで1時間半ほど走る。外気は氷点下20度を下回っているのに、地元の人は薄手のコートを羽織って闊歩している。マイナス40度を記録したという旧正月と比べれば暖かいのかもしれないが、他所者にとっては痛いほどの寒さだ。
そう聞くとかなり辺ぴなところを想像するが、実はここはスキーロッジが立ち並ぶ高級リゾート地。夏には湖水浴でにぎわうが1年の半分は凍っている湖を利用して、スウェーデン人のレーシングドライバー兄弟がテストコースを開設していたりする。ランボルギーニをはじめ、ポルシェ、ベントレー、アウディといった高級車ブランドが、ここで顧客向けのウインター・ドライブのイベントを行っているのだ。
ちなみに、ランボルギーニのウインター・トレーニングで使われる車両の価格は、約2300万~2500万円で、参加費は3万2500RMB(日本円で約43万円、ハイラルまでの交通費は別途)。それがほぼ満席ということは、今のアジアにはそれだけ多くの金持ちがいるということ。中国をはじめ、マレーシアやシンガポールからランボルギーニ・オーナーと購入予定の人が参加している。日本からの参加者はまだいないが、来年、募集する予定がある。
トレーニングは、イタリアから来たマックス先生の座学から始まる。用意された車両は、LP560-4とLP550-2の2種類のガヤルド。「LP」はイタリア語でエンジン縦置きを意味し、次の数字が馬力を、「-」の後の数字は駆動輪を表す。つまり、560馬力の4輪駆動モデルと550馬力の後輪駆動モデルという意味だ。
「後輪駆動を操るには高い技術が必要だが、走る喜びに優れる。とはいえ、4輪駆動のほうが扱いやすく速く走れるから、初心者は4WDの運転からマスターすべきだ」と先生。500馬力超のスーパーカーをツルツルの氷の上で走らせたことがある人はあまりいないので、まずは全員がLP560-4を乗りこなすところから始める。
後編に続く⇒https://nikkan-spa.jp/218193
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