更新日:2011年07月28日 16:23
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他人の子を万引き犯呼ばわりする“デマ・ママ”

― ドラマより怖い![ママ友地獄]の阿鼻叫喚【5】 ― 他人の子を万引き◆他人の子を万引き犯呼ばわりのデマ・ママ ママ友間だけのトラブルならまだしも、子供に危害を与える困った母親も。 マンションのように閉鎖的で核家族の多い空間は、ママ友地獄の温床になる。1年前に新築マンションに夫と小学3年生の娘と一緒に住み始めた佐々木今日子さん(仮名・34歳)はため息を漏らしながら語る。 「ウチのマンションは子供がいる家庭が多くて。小さい子が集まっては、一緒に遊んでたんです」  当然、今日子さんの娘もマンション内で同い年の仲がいい女の子がいたらしく、よく一緒に遊んでいた。 「あるとき、夕食の支度をしていたら、突然その子の母親が『あんたの家の子が万引した! もうウチの子とは遊ばせないから!』と怒鳴り込んできたんですよ。何事かと思って、娘に事情を聴いたら、道で拾った化粧品で遊んでいたら、その母親がそれを見て『盗んだんじゃないの?』と急に言い出したらしくて……」  それだけならまだいいが、その母親は小学校の先生に言いつけたり、マンション内でも「佐々木家の子供は盗み癖がある」などと吹聴するように。 「腹は立ったんですけど、マンションは購入してるからトラブルがイヤだし……。事が大きくなると面倒だから、泣き寝入りするしかないんです」 ◆ママ友の生活ぶりをネットでストーキング  トラブルは、人が密集する都心ばかりではない。 地方に住む遠山真美さん(仮名・31歳)のママ友トラブルは、ネットが原因だった。 「一日の行動をブログに書き込むのが日課で、ご飯の献立、娘の話、家族旅行の話などたわいもないことを書いていたんです。もちろん匿名ですけどね」  だが、娘が小学校に入った頃、同級生の奥さん数人と話をしていたら、なぜか陰で「遠山さんの家のおかずは貧相」「家が汚い」などと悪く言う噂を耳にする。「ブログにしか書いてないのになぁ」と不思議に思っていると、数か月後、別の知り合いに、ママ友の1人が、「真美さんのブログから情報をいろいろ仕入れては、言いふらしているらしいわよ」と聞いて愕然。 「犯人のママ友は、私がずっと昔から仲良くしてた人。一度、ブログの話をしたから、そこでバレたんでしょうか。でも、本人バレする要素は入れてないはずだから、アップした写真の背景やプロフィールの条件で探し当てたんでしょうね。信頼していたのに、上辺だけ取り繕って裏切られた気分。ストーカー気質というか、その労力を思うと怖いですね」  他人を陥れようとするストーカー・ママ友の執念深さを痛感するケースだ。 ◆原発問題に対する意識の差で亀裂も 時節柄、福島原発問題で亀裂の入ったママ友も。震災直後、関東から実家のある大阪に1歳の娘と避難を続けている前川由梨さん(仮名・30歳)。 「もう子供に対する放射能の危機意識が近くないママ友とは付き合えません」 当然、この手の話題は人によって意識や価値観に違いがあるわけだが、タブー化されていると気づくまで時間はかかった。 「千葉でベランダ農業をするママ友に、危ないからやめるよう忠告したら、うんざりされたり、東京に残っているママ友に、避難したママたちは『フツー東京人は逃げないよね? おおげさじゃない?』と明らかに偏見と非難に満ちた眼差しで見られることもあります。彼女たちからしたら、私は狂っているんでしょう。逆に私は子供を危険にさらす彼女たちのほうがおかしいと思いますが」  どこへ行っても、ママ友トラブルがないところはないということか。
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