大手金融社員「こうやって情弱部長を追放しました」
昨今、学校内でのイジメやブラック企業の労働環境が社会問題化している。しかし、出世競争や駆け引き、ライバル同士の足の引っ張り合いなど、実はブラック企業以上に一流企業では悪質なイジメが横行していた。エリート社員ならではの“頭を使った”イジメの実態と、それが起きる背景を探った
◆ITと英語に疎い上司。相手の弱みにつけ込んで、下克上を果たす!
限られたポストを争い、時には上司の椅子を狙う猛者もいる。立場が上の人間でも、ITに疎くて情弱といった相手の弱みにつけ込んで、だ。その主犯者が、大手の金融機関に勤める国中弘氏(仮名・40歳)。
「元上司は、『土下座してでも契約取ってこい』だのヌカす典型的な“昭和男”。こんな男の言いなりになっていては数字目標が達成できず、リストラ候補になるだけ。そこで部員一同で組み、昭和男をハズす作戦に出たんです」
その作戦とは、相手の無知につけ込んだ「ハブ」。仲間外れだ。
「今まで、部内での情報共有は同報メールでしたが撤廃。顧客情報やリポートなど情報ツールは、全部、クラウド化した社内共有サーバーにあげました。ITに疎い部長は、情報を取りにすら行けませんから(笑)」
外回りの商談でも、元上司はクロージングのいいところだけ出てきて部下の成果を横取りするクセがあったが、そうはさせない。
「『部長は、僕らを温かく見守っていてください』とか適当に言って、遊ばせておきました。それと、英語の猛勉強をスタートしたんです。会議中に、ウチが扱う日本企業が取引するアジア企業のIRリポートを英語でスラスラ読んで、元上司には翻訳してやらないんです」
こうした“情弱追放キャンペーン”で、部長はものの半年で失脚。その後釜に国中氏が納まる。「おかげでチームの団結力と英語力が伸びたのは、思わぬ副産物でしたね」と最後までしたたかだ。
イラスト/サダ
― 一流企業の[悪魔的頭脳派イジメ]の実態【1】 ―
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