更新日:2014年01月29日 20:39
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東南アジアの“雄”インドネシア株を狙い撃て

’13年もっとも熱い新興国はASEANのインドネシア! その理由は豊富な資源、人口ボーナス、インフレの抑制がうまくいっていることなど、さまざまな要因が列挙される ◆経済的に安定しているのは中国よりもインドネシア
又井郁生氏

又井郁生氏

 今、東南アジアがアツい。言わずもがなではあるが、まさに発展途上、成長率が半端ないのだ。なかでも、個人が投資をする際に注目なのがインドネシアだ。 「まず、現在のGDP成長率が堅調で近年6%台で安定している。例えば、中国はGDPが予想より下回ると売られるリスクがあるのですが、インドネシアは安定していますから、個人投資家が中長期でホールドしやすいんですよ」  と話すのは亜州IRの又井郁生氏。マイナス成長もある日本から見たら6%の安定成長は羨ましい。 「また、政府は’25年までにGDPを5倍に押し上げるという『経済開発マスタープラン』を発表しています。インドネシアは天然ガスをはじめとして石炭やゴムなども豊富。その天然資源と経済産業をどう展開していくかを示したもの。アジア開発銀行と世界銀行からも支持されていますから、今後10年間のインドネシアの発展は間違いないでしょう」  日本政府もこの開発プランには、空港や高速道路建設に約1000億円の援助を表明している。 ◆インドネシアが成長するコレだけの理由 「それから現在、インドネシアの人口が2億5000万人と非常に多いことも有利。これは中国、インド、アメリカに次ぐ世界4位で、人口の分布が理想的な三角形のピラミッド形。つまりは、若者の人口が非常に多いんです」  日本は少子高齢化の「逆三角形」であり、正直、発展には向かないが、インドネシアまったく逆。 「これから、労働人口がどんどん増えます。そして、インドネシアの一人当たりGDPは3000ドルを突破しました。同じASEANでもベトナムが1500ドルでその差は歴然。この数字が3000ドルを超えると車を買う人が増えるという統計がありますが、中産階級は労働力のほかに消費のけん引役になる。この2つの条件が重なったいわゆる“人口ボーナス期”を迎えているんです」  いわば’60年代、高度経済成長期に入った頃の日本がそのまま現在のインドネシアなわけだ。 「また、経済政策でうまくコントロールされている。特に、インフレ率が5%程度に落ち着いているのもポイントでしょう」  インフレは経済発展のためには必要だが、10%を超えると狂乱物価を引き起こす。ベトナムでは一時インフレ率が20%を超え景気の足かせとなったが、インドネシアではその心配もない。ネガティブ要因を強いてあげるのならば、かつて混乱していた政治だろうか。 「でも、それはスハルト元大統領が居た’90年代後半の話。確かにそのころはアジア通貨危機があったりして、ルピアも暴落。入っていた外資系の投資ファンドなども逃げ出しています。でも、’04年にユドヨノ大統領が就任し’09年には再選されていますから、政情不安もほぼ解消されています」  現在は投資から離れていた外資も続々とインドネシアに戻ってきているという。 ※【後編】インドネシア株は自動車、食品、小売がアツい!?
⇒https://nikkan-spa.jp/365774
【又井郁生氏】 亜州IR代表。国内証券からシンガポール現地法人勤務、中国株情報会社などを経て亜州IRを設立。アジア各地の市況ニュースを配信 ― 東南アジアの“雄”インドネシア株を狙い撃て!【1】 ―
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