情報商材業者にとってアマゾンは格好の狩場!?
―[情報商材戦線に異状あり!?]―
誰でも電子書籍を販売できる! そんなアマゾンの革命的サービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング」(以下KDP)が日本でもスタートした。手軽に自費出版できるのがウリだが、怪しげなタイトルも散見されるキンドルストア。新手の市場にうごめく魑魅魍魎の正体とは?
◆Amazonで自著を簡単に出版&販売OK!
誰でも電子書籍を販売できる! そんなアマゾンの革命的サービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング」(以下KDP)が日本でもスタート。本場である米国では、早くも処女小説で1億ドルを売り上げた書店員作家が生まれたなんてサクセスストーリーも飛び出している。なにしろ、印税が35%~と紙の書籍に比べて非常に高いこともあり、個人ユーザーからの注目度も高いのは当然だ。現在、キンドルストアには「電子書籍が簡単に作れる」といったハウツー本がいくつも販売されており、個人向けの市場への期待が窺える。
しかし、一方で心配なのはクオリティ。素人作家の大量流入で玉石の“石”が粗製濫造されそうな予感アリ。ハウツー本の乱立を見ても、情報商材まがいの(タイトルだけで釣って中身がない)書籍が乱発されるなんて事態もありそう。そこで、電子書籍における“ちょっと怪しい”出版物について、電子書籍のシステムなどに詳しい村上福之氏に聞いた。
「単価が数万円もするような高額の情報商材がはびこることは、キンドルストアの相場である数百円から乖離しすぎているので考えにくいですが、セミナー事業者などの宣伝媒体としての情報商材は増えそうですね。今の紙の本と同じですよ。ご存じのとおり、『秒速で*億儲ける』などの本も“本”で儲けるモデルではなく、単なる宣伝媒体。本で誘導して、その後の高額セミナーで儲けるビジネスモデルですから」
同様に、100円ほどの安い書籍を買わせて、そこから高い商材やセミナーへ誘導するというビジネスモデルが、電子書籍市場では成り立つわけだ。とくに、もともとビジネス本に強いアマゾンは、その手の業者にとっては格好の狩り場なのだという。
「実際、私がその手のハウツー電子書籍をキンドルストアで何冊か買ってみたところ、電子書籍内のURLから有料メルマガへ誘導するようなものが多く見られました。URLを埋め込めるという電子書籍の特性は、情報商材に向いているとも言えますね。もっとも、キンドルではできないこともあります。例えば、情報商材のウェブサイトによくあるような、煽り文を延々と連ねた長いページ。あれをキンドルでやると、さすがにバッシングでしょうね」(村上氏)
【村上福之氏】
クレイジーワークス代表。歯に衣着せぬ物言いで、ネットの世界で注目を浴びている。初の著書『ソーシャルもうええねん』(Nanaブックス)が話題に。電子書籍のシステムにも詳しい
― Kindle自費出版で情報商材戦線に異状あり!?【1】 ―
『ソーシャルもうええねん』 つくられた情報に踊らされるな! |
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