「いまの保活はまるで偏差値競争」保育ジャーナリストが嘆く現状
―[パパが見た[保活地獄]の阿鼻叫喚]―
待機児童問題が叫ばれて久しいなか、子供を保育園に入れる活動、通称「保活」も激化の一途を辿っている。「なんとか我が子をいい保育園に入れたい……」。そんな思いで各家庭が鎬を削る裏では、壮絶な保活に巻き込まれ、悲惨な目に遭う家族の姿があった!
◆保育ジャーナリストが解説する保活の現状
認可保育園に入れたいという親の願望は、ますます強まっています。なかには環境の整った認可外保育所もありますが、園庭がなかったり、経験が浅い保育士ばかり働く施設が圧倒的に多い。私の育児経験上、園庭のある施設で育った子供のほうが、小学生以降の運動能力が優れる傾向があると感じます。親心を考えれば、やはり認可保育園の競争率が高まるのはやむを得ないでしょう。
保活の激戦区というと、杉並区や世田谷区などが挙げられがちですが、近年急激に競争率が増しているのが港区です。極端な話、大きなマンション郡が建っただけで、その地域の競争が激化するということは珍しくないのです。
今、首都圏では認可園の優先度がポイント制になっている自治体が多いので、まるで偏差値競争のようになってしまっている。「●点で入園できるのはどこか?」などと私に相談にくる方も多い。保育本来の役割を考えるとこれは異常な状況なのですが、シビアな保活合戦は続きそうです。
【猪熊弘子氏】
ジャーナリスト。東京都市大学客員准教授。自身も4児の母親であり、保育や教育など中心に執筆・取材活動を行う。『死を招いた保育』(ひとなる書房)など保育関連の著書多数
― パパが見た[保活地獄]の阿鼻叫喚【3】 ―
『死を招いた保育―ルポルタージュ上尾保育所事件の真相』 命の重みを背負った保育の質を問う、著者渾身のルポ |
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