吉田豪が語る「うつは中年の思春期」説とは?
「最近うつっぽい」と感じることや、職場や友人が実際にうつ病になってしまうetc. うつとまったく無縁の生活を送っている人はむしろ珍しい昨今。でも、自分が実際にうつ病になるなんてことはさすがにないはず……と侮ってはいけない。SPA!の読者世代であるアラフォーサラリーマンは、実は最もうつになりやすい世代。うつのさまざまな原因、多様化する職場環境、休職制度の今後まで、我々を取り巻くうつの最前線に迫った!
◆うつは中年の思春期だから、不惑のうつは万人に共通!?
仕事でも成功し、金銭的にも豊かならうつとは無縁なのかというと、そうでもないから厄介だ。「サブカル・スーパースター」たちがうつに見舞われた経験をまとめた『サブカル・スーパースター鬱伝』の著者・吉田豪氏は語る。
「『役者は体力勝負なのに体力が衰えてきて、そこに離婚が重なった』(松尾スズキ)、『おもしろコラムを書くのが鬱陶しくなってきた』(リリー・フランキー)。体力の衰えや仕事のフェーズの変化、離婚など、成功者でも、不惑の男がうつになる背景は普通のサラリーマンと同じなんですよね」
成功してもうつになるのかと思うと夢も希望もないが、背景が一緒なら、克服法も共通しているはず。どう克服していったのか?
「杉作J太郎さんは、アニメやアイドルにハマることで、大分回復したみたいですね。アイドルにお金を突っ込んで、集客の悪いイベントに駆けつけて、感謝されることで『役に立ってる感』を得られるし、フリを覚えれば運動になるし、ファン友達もできるし。アイドルの追っかけには、うつを治すのに効果的な行動が詰まってるんです。地下アイドルくらいだと、俺が支えてあげないと!という実感をより得やすいので、サラリーマンの皆さんにもお勧め(笑)」
治す必要はないという意見も。
「リリーさんも『こんな腐った世の中では少々気が滅入らないと。うつは中年の思春期。大人の嗜みですよ』と言ってますからね」
腐った世を憂う感受性を持つ証拠と思えば、うつも男の勲章!?
【吉田 豪氏】
プロインタビュアー、プロ書評家。資料を駆使した徹底的な事前取材に基づいたインタビューが特徴的。最近では『情熱大陸』でもその仕事ぶりが紹介され、話題になった
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