ジョージ・ソロスが日本株を再び買い始めた!?
日経平均が5年半ぶりに1万5000円超えたと思ったら、13年ぶりとなる1100円の急落。
ここ数か月が泡沫の夢だったとは思いたくない、「上昇が早すぎたための調整だ」と自分に言い聞かせている投資家に朗報だ。
なんと、「6月7日、世界最大の投機家であるジョージ・ソロスが5月に手放した日本株を再び買っている」らしいとの報道が。
ソロスが買ってるなら、まだ買い!で大丈夫!?
「ただ、慎重な判断が必要。『関係者によると』といったソースの曖昧な記事で、相場を持ち上げて利益確定したいヘッジファンドが流したウワサである可能性もありますから」
そう分析するのはシティバンクでチーフディーラーを務めたプロ・トレーダーの西原宏一氏。株も為替も乱高下、高値をつかんで身動きがとれなくなってしまった人にとって“福音”となるはずの「ソロスの日本株買い」だが、手放しで喜ぶのはまだ早いようだ。
◆ソロスは5月に日本株を手仕舞いするも再度の買いへ?
「ソロスだけでなく、海外ヘッジファンド勢はかつてない熱い視線を日本に送り、アベノミクスの行方を注視しています。4月に放たれた『第一の矢』である異次元金融緩和こそ市場の期待を超えるもので株高・円安が進みましたが、財政出動、成長戦略の第二、第三の矢はいずれも的外れ。海外勢は充分な利益を確保したこともあり、日本株の買い・円売りの取引から離れつつあります」
海外勢主導で始まった株高だけに、彼らがいなくなってしまうと心もとない。ってことは、やっぱり株高・円安はもう終わり?
◆100兆円ファンドが日本株を買い、円を売る
「日本が誇る世界最大の機関投資家「GPIF」(年金積立金管理運用独立行政法人)がポートフォリオに占める日本株の比率を高めることを発表するなど、好材料もあります。GPIFは日本株の比率を1%高めると発表しましたが、100兆円の運用資産がありますから1%でも1兆円。外債の比率も高めることも発表したので円安にもつながります」
100兆円ファンドGPIFの運用方針変更は以前から海外勢も注目していた材料でもあり、心強い材料。でも、まだパンチ不足の感は否めない。
◆安倍政権内部では焦りも? 夏場以降の再発進に期待
「やはり基本は『アベノミクス次第』。法人税減税など思い切った政策を打ち出して海外勢をもう一度日本に振り向かせないことには買い手不在で、株高・円安の再開はありません。このままではマーケットがクラッシュ、暴落するだけ。政権内部ではかなり焦りがでているでしょう。7月の参院選を前にして大胆な政策に動きづらいのでしょうから、夏場以降に期待です。安倍政権次第ではありますが、中長期気に1ドル110円の見通しは変わりませんし、為替がそこまで動けば日経平均はもう一段の上昇がある」
相場の行方はよくも悪くも安倍次第。下がれば下がったで売りで稼げるのがFXの魅力だ。西原さんの最新刊『30年間勝ち続けたプロが教える シンプルFX』では中長期的な市場の読み方から、短期戦略用の手法まで紹介しているのでご参考あれ!
●西原宏一(にしはら・こういち)
(株)CK キャピタル代表取締役
青山学院大学を卒業後、1985年、シティバンク東京支店に入行。1996年まで同行の為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活動の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行(DBS)シンガポール本店でプロプライアタリーディーラー等を歴任。2009年に独立。現在は自らディーリングをしながら個人投資家への助言を行う。ロンドン、シンガポールのファンドとの交流が深い。週に10~15本配信されるメルマガ(月額4200円)の読者は、これまでに4500人を超える
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<取材・文/高城 泰(ミドルマン) Photo by Niccolo Caranti from Flickr>
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