【第95回甲子園】野球留学生は是か否か?データで見る
https://nikkan-spa.jp/266459)にも様々な意見を頂いた。この記事と以下に示すデータは各県の代表校のベンチ入り18人のうち、県外出身者の占める割合を示したものである。
予選参加校が最多の、神奈川(190校)や大阪(179校)と最小の鳥取(25校)では明らかな格差が存在することや、こうした「留学生」が各地域のレベルアップに繋がってきたことは事実。
そうした点を鑑みたうえで、高校野球への「ひとつの見方」として以下のデータを見ていただきたい。
―― 2013県外出身者人数(ベンチ入り18人のうち) ――
●[なし]18校
※学校名(参加地域/公私立/予選参加校数):県外者人数[出身中学県]
帯広大谷[初出場](北北海道・私立・107校):0
弘前学院聖愛[初出場](青森・私立・67):0
秋田商(秋田・市立・50):0
作新学院(栃木・私立・64):0
上田西[初出場](長野・私立・89):0
富山第一[初出場](富山・私立・48):0
福井商(福井・県立・30):0
彦根東[初出場](滋賀・県立・53):0
西脇工[初出場](兵庫・県立・162):0
瀬戸内(広島・私立・93):0
玉野光南(岡山・県立・59):0
岩国商(山口・県立・59):0
丸亀(香川・県立・40):0
鳴門(徳島・県立・31):0
佐世保実(長崎・私立・58):0
熊本工(熊本・県立・66):0
大分商(大分・県立・47):0
沖縄尚学(沖縄・私立・63)0
※前年と同数の18校だが、初出場校が6校(うち春夏初は5校)。とくに青森県は県外出身者が多く、プロも多く輩出している2強(八戸学院光星、青森山田)を破り出場した「純・青森っ子」のチーム、弘前学院聖愛に注目が集まる。
●[1~5人]17校
前橋育英[初出場](群馬・私立・66):1[埼玉]
桜井[初出場](奈良・県立・42):1[大阪]
箕島(和歌山・県立・39):1[大阪]
日川(山梨・県立・38):1[千葉1]
日大山形(山形・私立・52):2[宮城、滋賀]
修徳(東東京・私立・139):2[千葉、埼玉]
星稜(石川・私立・50):2[大阪、兵庫]
有田工[初出場](佐賀・県立・41):2[長崎2]
北照(南北海道・私立・125校):3[大阪2、京都]
花巻東(岩手・私立・72):3[宮城、神奈川、秋田]
木更津総合(千葉・私立・171):4[茨城2、埼玉、東京]
愛工大名電(愛知・私立・189):4[岐阜3、三重]
自由ケ丘[初出場](福岡・私立・135):4[大分2、佐賀2]
延岡学園(宮崎・私立・49):4[大分4]
樟南(鹿児島・私立・79校):4[福岡4]
仙台育英(宮城・私立・73):5[秋田2、埼玉2、東京]
日本文理(新潟・私立・88):5[東京2、栃木、神奈川、兵庫]
●[9人以下]6校
三重(三重・私立・64校):6[愛知2、奈良、大阪、岐阜、三重]
常総学院(茨城・私立・103):8[神奈川4、福島、栃木、埼玉、千葉]
横浜(神奈川・私立・190):8[東京2、福岡2、栃木、千葉、静岡、三重]
浦和学院[春優勝](埼玉・私立・156):9[栃木2、東京2、広島2、静岡、大阪、和歌山]
大阪桐蔭[昨夏優勝](大阪・私立・179):9[京都2、奈良2、福岡2、和歌山、兵庫、岡山]
済美(愛媛・私立・59):9[大阪3、愛知2、兵庫、和歌山、広島、佐賀]
●[10人以上]8校
聖光学院(福島・私立・83校):11[東京2、大阪2、茨城2、神奈川2、愛知、山形、兵庫]
日大三(西東京・私立・131):11[大阪4、千葉2、神奈川、静岡、埼玉、茨城、栃木]
常葉菊川(静岡・私立・117):11[大阪3、愛知3、東京2、栃木、神奈川、沖縄]
鳥取城北(鳥取・私立・25校):11[兵庫7、大阪3、京都]
石見智翠館(島根・私立・39校):11[兵庫4、大阪3、広島3、京都]
明徳義塾(高知・私立・32校):13[大阪6、兵庫2、福岡、徳島、和歌山、愛媛、香川]
福知山成美(京都・私立・78):14[大阪7、兵庫4、奈良3]
大垣日大(岐阜・私立・67):16(愛知5、大阪3、滋賀3、福井2、石川2、三重)
※昨年は18人全員が県外出身者というチームがあったが、今年はゼロ。鳥取城北、明徳義塾は昨年に続いての出場。島根県は出場校は異なるが、昨年に続き、このカテゴリーにランクイン。
●都道府県別、県外出身者(総数198人 ※昨年242人)
・大阪府=41人
・兵庫県=22人
・愛知県=13人
・東京都=11人
・神奈川県=10人
・福岡県=9人
・栃木県、埼玉県、福岡県=7人
・千葉県、奈良県、大分県=6人
※ちなみに、県外出身者を輩出していない代表校の県は以下の通り。(北海道、青森、岩手、群馬、新潟、長野、山梨、富山、鳥取、島根、山口、高知、熊本、宮崎、鹿児島)
※前年は代表校に大阪府出身者が78人(49代表のベンチ入り選手の7.2%)であったが、今大会はほぼ半数となった。
[参考]
週刊朝日増刊「甲子園2013」代表49校完全戦力データ
<取材・文/日刊SPA!高校野球取材班>
今年も熱戦の火蓋が切られた、第95回全国高校野球選手権記念大会。各都道府県の代表49校が「真紅の大優勝旗」を目指す。今年は初出場校が10校(うち春夏初が7校)、春夏連続出場校が11校、埼玉県代表・浦和学院の春夏連覇なるか、その春の決勝で敗れた大阪府代表・大阪桐蔭の雪辱なるか、春、日米を跨いだ”連投論争”を呼んだ愛媛県代表・済美の157キロ右腕・安楽智大投手(2年)がどのようなピッチングをするかなど、話題は満載である。
そんななか、毎年議論となるのが、甲子園常連校などに県外から選手が越境して入学する「野球留学生」問題だ。親の転勤、通学の利便性など様々な事情はあるが、高野連でもこれを問題視しており、授業料免除などで中学生の過剰な勧誘を規制してきたり「特待生」として入学金・授業料を免除する生徒を1学年5人までとするルールを設けたりもしてきた。
◆なにかと議論を呼ぶデータ
高校野球ファンの間でもこれは賛否両論で、昨年日刊SPA!が掲載した記事(
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