山崎まさよし、憲法9条を歌う
私小説を綴るように身近な出来事を歌にしてきた山崎まさよしが、ニューアルバム『FLOWERS』でメッセージ性の強い曲をしたためた。デビューから18年目の今年、なぜ憲法9条への思いを歌にしようと思ったのか?
――子供の立場で「毎晩眠る前にママが読んでくれる本の9ページ目が少し変えられたら眠れなくなった」と英語で歌う「#9 story」は、憲法改正論議に関する曲ですよね?
山崎:これはもともとクリスマスソングにするつもりだったんですけど、憲法改正の話をしていたら腹立ったんで、変えたりました(笑)。政治家が問題が何も解決していないのに足の引っ張り合いに現(うつつ)を抜かすなら、こっち側からのアプローチはどうあるべきかって考えたら、皮肉やメッセージを乗せた曲を作るスキルはあるわけだし、それを全国で発売できるわけじゃないですか。“いい曲”って言うときの“いい”にもいろいろあって、メッセージがあるのも“いい曲”に入るんちゃうかなと。僕が聴いてきたのも、一見普通なようだけどメッセージが隠されたりする歌が多かったし。サイモン&ガーファンクルの「7時のニュース/きよしこの夜」(マーティン・ルーサー・キングJr.のデモ行進やベトナム戦争反対運動に触れた曲)とかね。
――「#9 story」は痛烈に現政権を批判していますよね。ボカすために英語にしたのかなと思うぐらい。
山崎:確かにね、英語で逃げてます(笑)。まあ和訳を読んでも憲法の話だってわからん人もいるでしょうけどね。ただ、英語の歌詞にする案はクリスマスソングを書こうと思った時点ですでにあったんですよ。子供が歌っている設定なんで、拙い英語のほうが無邪気さが出るんじゃないかと。“自国の軍隊を持たないで子供を守れますか?”みたいなことを言う人がいるじゃないですか。そんな事態になったら犠牲になるのは子供なのに、子供を引き合いにだすんがおかしいんですよ。未来のある子供を、先に死んでいくおっさんやおばさんが切り捨ててどないするねんと。
※「週刊SPA!」10/1発売号の「エッジな人々」では山崎まさよし氏のロングインタビューを掲載中!
<本誌構成/高岡洋詞 撮影/植松千波 再構成/SPA!編集部>
『FLOWERS』 山崎まさよし通算10枚目のオリジナル・アルバム |
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