大人気カリスマブロガー藤沢数希が語る「結婚不要論」
―[実録[独身貴族]の理想と現実]―
独身貴族という生き方は本当に悠々自適なのか。等身大の独身男性の理想とリアルライフに迫る。
◆結婚は不要。国が定めた制度に縛られる必要はない
「結婚は家族をつくるための単にひとつの便利な法的ツールで、他のツールが良ければそっちを使えばいい」
開口一番そう語るのは、人気ブログ『金融日記』の管理人であり、自身も独身貴族である藤沢数希氏。
「僕は『独り身のほうがお金も時間も自由に使えて楽しいから』という理由で結婚してないわけじゃないんです。もちろん愛する女性と子供をつくり家族を持つことは人生で最も素晴らしいことだと思っています。でも『家族を持つ』ことと結婚はまったくの別モノ。だって家族って結婚しなくてもつくれるじゃないですか?」
◆結婚は金融商品の取引で愛とは別モノ
確かに、入籍をしなくても、事実婚というかたちで誰かと子供をもうけることは可能だ。ちなみに高額所得者である藤沢氏の場合、結婚における一番のネックになるのは金銭的な問題だとか。
「日本では婚姻届に判子を押した瞬間から、潜在的に自分の稼ぎの半分は奥さんのおかげだ、ということになるんです。極端な例を挙げると、婚姻届を出した次の日に、妻が男を作って出て行ったとします。それでも法的に婚姻状態なら、婚姻費用と財産分与で自分の稼ぎの半分を妻に渡し続けないといけない。渡さなければ、国家権力で給料でも貯金でも何でも差し押さえられる。そして日本では簡単に離婚はできない。これが結婚という金融商品の本質です」
しかし藤沢氏は、それほど所得が高くなければ、結婚するのはいいとも語る。
「逆に年収500万円とか平均的な稼ぎの場合、こうした金銭の支払いは大したものではないし、もし奥さんの稼ぎのほうがよくて、逆玉の輿に乗れるなら、搾取される心配もまったくない。日本は男女平等なので、むしろ離婚した場合、夫のほうが妻からお金をもらえます」
また、「子供をつくる」点についても藤沢氏は独自の独身貴族理論を展開する。
◆結婚せずに子供をつくることが主流に?
「つい先日も、愛人の子の遺産は正妻の子の半分という民法の法律に、最高裁が違憲だという判断を下しました。こうした風潮を受け、今後はもっと『結婚』のかたちにとらわれない家族形態がトレンドになっていくと思います。好きなら一緒にいればいいし、嫌いになったら別れればいい。しかし養育費を含めた子供に対する義務は強化したり、子供に対する国の補助金は増やしたりする。それが先進国のトレンドです」
確かに、高額所得者にとっては、結婚というのは大変不合理な制度なのかもしれない。一方で、そもそも恋愛も結婚もできない独身男性たちはどうすればいいのか?
「何事にも向き・不向きがあると思います。恋愛も同様。40歳近くになっても恋愛できる兆しが見えない人は、恋愛には向いていない人なんです。今の時代は仮に恋人も奥さんもいなくても、AVもあるしAKB48もある。初音ミクみたいな、日本は素晴らしいバーチャル恋愛文化をつくり出してきました。リアルでの結婚はすっぱり諦め、違う分野で人生を楽しんだほうがいい」
【藤沢数希氏】
外資金融勤務。ブログ「金融日記」管理人。著書に『外資系金融の終わり』など。現在、結婚の経済学についての著書を執筆中
取材・文/古澤誠一郎 藤村はるな 鼠入昌文(Office Ti+) 撮影/菊竹 規
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