車掌の車内アナウンス、アドリブを入れることもある?
好きで選んだ仕事でも、全部が好きなわけじゃない。一連の業務のなかで「これはイヤ!」と敬遠される作業もやっぱりあって……。ハタから見ているだけではわからない、そんな現場のホンネを各業種からピックアップ。いやはや世の中に楽な仕事はありませんなー。
<車掌>
【好き】車内アナウンス
【嫌い】トラブル停車時のトイレ案内
車内アナウンスは自動音声が基本だが、「始発と終点、祝日など要所要所では車掌がアナウンスをする」と、JR勤務のMさん。内容は決まっているものの、たまにアドリブを入れることもあるとか。
「本当はいけないんですが、たとえば花見スポットのある駅の開花情報を言うとか。あとでネットで『○○線 アナウンス』なんて検索したりして(笑)。ツイッターとかでいい反響があるとうれしいです。でも、雨の日に『傘の忘れ物が本当にとっても大変多いです』と強調したときは、『どんだけ多いんだよ!』ってつぶやきがあり、ちょっとやりすぎたかなと(笑)」
一方、嫌いなのは車両故障などのトラブル時に行う作業。
「駅と駅の間に長時間停車した場合、乗客のトイレの案内も車掌の仕事。男性の小用なら他の人からは見えないようにして線路でしてもらうけれど、大きいほうとか女性は車掌室で常備している携帯用の簡易トイレにしてもらうんです。当然、駅に着くまでは残された排泄物と一緒ということに……」って、とんだ旅の道連れだ。
また、運転士と車掌が乗務前に義務づけられているアルコール検査も憂鬱のタネなんだとか。
「鉄道の検査は警察の飲酒検問より厳しくて、ほんの微量でも検知されたらアウト。検査前に食べた菓子パンに入ってるミリンに反応することもあるので、必要以上に気を使わなきゃならず大変です」
ま、それくらい厳しいほうが利用客は安心だけどね。
イラスト/花小金井正幸
― 職業別[好きな作業/嫌いな作業](秘)報告【3】 ―
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