更新日:2015年02月12日 21:31

【後編】落合監督退任報道に中日ファンは怒り心頭「お前らは中日の味方なのか?」

←(前編) 先日、就任8年目のシーズン終了を待たずして、落合監督退任の一報が球界に激震を走らせたことは記憶に新しい。退任に至る一連の報道は落合監督の業績を称えながらも、その不器用な生き様が引き起こしているといった論調が一般的である。だが、こういった報道に違和感を覚え、怒り心頭なのが何を隠そう当の中日ファンなのだ。落合監督退任にショックを受けるファンたちに話を聞いた。 ◆お前らは中日の味方なのか? 「地元のマスコミは本当に落合監督が嫌いなんでしょうね。名古屋でやってる中日の応援番組であるにも関わらず、中日OBの解説者が嬉々として『優勝はヤクルト』や『今日の試合は負けます』なんて言うんです。優勝がかかったこの時期になんてことを……と。もし、あいつらが入閣してコーチになったら、それこそファン辞めるかも」(30代・男性) OB解説者が自分の応援するチームを貶めるような発言をするとは……。この情報はローカル番組ではあるがツイッターなどを通じて、全国の中日ファンが知ることになり、予想に反して“今日の試合”に勝ってしまい、彼ら元中日エースとその女房役のOBたちへのファンからの評価はさらに下がったのであった。 ◆中日新聞に物申す! 「大本営(中日ファンが中日スポーツを揶揄してするときに使う言葉)は親会社のくせになんもスクープがあらせん。報知やデイリー読んだ方が中日の情報が充実しとったことがあるくらい。中日の写真はカラーででかいけど、情報が薄っぺらだわ」(40代男性) 親会社である中日新聞、中日スポーツは他社と比べて番記者の数も突出して多いという。配慮か、はたまた怠慢か……。 ◆営業努力してんのか! 「いろんな球場行ったんですが、その中でも自分のファンである中日のナゴヤドームは魅力がないのは哀しい。球場グルメもたいしたことないし、ファン向けのイベントも魅力的じゃない。ロッテみたいに終わったら外でファンと喜んだり、球場グルメを充実させてたりして、野球以外のプラスアルファの要素がほしい。だいたい客が減ったとか言ってるけど、シーズンチケット頼みの体質も問題じゃないでしょうか? 一般のお客さんが行きたいと思う球場をまずは作るべきですよ。昔と違って今は野球以外のエンターテイメントは山ほどあります。そういうことわかってないと思いますよ」(40代男性) ナゴヤドームへの不満の声も多数。メジャーリーグを見習ってボールパークを目指してみては。また、「ナゴヤ球場のアットホーム感が未だに名残惜しい。古いファンはあのナゴヤ球場のアットホーム感があるから、今のナゴヤドームに上手く馴染めないんじゃないかな」(40代男性)という声も。 ◆業績を残した監督の退任を喜ぶな! 「中日ファンが集まる店として有名な店の人に取材して、落合やっぱダメじゃんみたいな記事を目にしたんですが、ハッキリ言って不愉快です。なかには落合退任記念飲み会を主催したお店もあるみたいで、そんな店の人を中日ファン代表みたいに取り上げて監督退任を肯定してほしくない」(20代女性) コチラの話もファンの間では割と有名な話。ファンであるなら自分のチームの監督が辞めさせられて喜ぶなんてことはないんじゃ……。ちなみに友人の浦和レッズファンは「成績残してる落合クビにして喜ぶなんて、ファンとしては正気の沙汰じゃないな。まぁ、ウチのペトロビッチが辞めたらマジでパーティやるね。うれしくて」だとか。 ◆なぜ、地元マスコミから落合の声が聞けないんだ! 「結局、我々中日ファンは8年間かけて落合監督という野球人の魅力にどっぷりハマッてしまったわけです。コメントが取れない記者の人たちはそりゃ大変だと思うけど、純粋に落合野球の魅力を伝えきれない記者達にも問題ありますよ。喋らない、コメント取れないって言うけど、じゃあなんで日テレに出て江川にはペラペラ喋ってんだよって。そもそも落合監督の独占インタビューをやるべき、載せることができるのは中日新聞や地元のテレビなんじゃないんですか?」(30代男性) 意外と多かったのが、監督退任を決めた首脳陣ではなく地元のメディアや親会社である中日新聞への不満の声だ。 ◆高木次期監督はしばらく黙ってろ! 「高木さんはシーズンオフになるまでテレビとかマスコミに出ないでほしい。イチロー獲得だとか、川上や福留にオファーとか、優勝争いの集中を削ぐようなことを言うな!と思う。二軍は優勝して投手や外野手、特に外野手は堂上兄弟や松井、大島という若手が育ってきてるのに、今さら感があります。OBなのにそう言うこと知らないのかと思います。来年から高木さんがやるのはわかったし、やる以上は応援します。だから、今は黙って球場来て若手の成長をちゃんと観ておけって本気で思います」(20代男性) 高度な理論の落合野球を見続けることによって、ファンの目が肥えたことは間違いない。落合監督就任によって最も育ったのは、玄人はだしなファンの目なのかもしれない。 とにもかくにもペナントレースも残りわずか。幸か不幸か退任の一報以降、中日の調子は尻上がり。一気呵成に追い上げ、奇跡の大逆転を引き起こそうとしている。だが、これも穿った見方ではあるが、「退任が引き金で選手にハッパをかけた首脳陣の思惑通りなのかも……それならば、“悔しい優勝”になっちゃうかも」(30代女性)という声もある。いずれにせよ近年まれに見るデッドヒートが繰り広げられているセ・リーグからは目が離せない。 取材・文/テポドン
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