デング熱騒動を日比谷公園のオクトーバーフェスト客はどう考えているのか?
代々木公園にはじまり、新宿中央公園や新宿御苑まで「立ち入り制限」がかかるなど、“デング熱騒動”が過熱するなか、昨日9月13日、東京都心の日比谷公園では、現在話題となっているドイツビールの祭典、オクトーバーフェストが催された。
「騒動は気にはなりますけど、天気もいいし、美味しいビールとソーセージには目がないので、虫除けスプレー持参で思い切って来ました!」
千葉市から友人3人で訪れたという30代の男性は、額に汗を滲ませながらこう笑顔で話してくれた。
この日、国内で確認されたデング熱の感染者が17都道府県で計116人に達したが、柔らかな秋の日差しが眩しいくらいの絶好のビール日和とあって、会場内は本場ドイツビールのファンで大盛況。軒を連ねるブースには、熟成された苦味が何とも言えない格調高い濃厚黒ビール「クローネ」や、カラメルモルト風味でフルーティーな香り漂う「オクトーバーヴァイツェン」など、本場ならではのきめ細かな泡立ちの美味しいビールがズラリと並んでいた。
「オクトーバーフェストはこれで3回目なんですが、毎回初お目見えの銘柄と出会えるので、それも見どころのひとつ。つまみもボリュームがあるし、あまりピッチを上げるとすぐお腹が膨れちゃうんで、マッターリ飲み続けるのがいいんじゃないですかね」
三鷹市からやってきたという20代のカップルがそう話すように、ビールのつまみも魅力だ。ジューシーな肉々しさが堪らないジャーマン・ソーセージは言うまでもなく、ムール貝の白ワイン蒸しや、ラタトゥイユ付若鶏の香草焼き……など、ビールにうってつけの肴が目白押しとなっている。
そもそもこのフェスト、ドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘンで毎年9月半ばから10月上旬に催される世界最大規模のお祭りに倣ったイベントで、日本では、2010年に15万人(全国4会場)ほどの客足だったが、年々話題が広がり、昨年2013年には実に60万人(全国12会場)もの動員数を誇る人気イベントとなっているのだ。日比谷公園のフェストもドイツ大使館などが後援者として名を連ねているが、この日、会場入り口には、「ご自由にお使い下さい」と書かれたプレートとともに、虫除けスプレーが10缶ほど置かれていた。
「いちおう、家から虫除けスプレーとカーディガンは持ってきたんですが、こういう心遣いは嬉しいですよね。デング熱ウイルスに負けないように、ビールをしこたま飲んで体を内側から消毒してきます!」
友人2人でスプレーをかけ合っていた30代女子はこう意気込んでくれたが、23日まで続くオクトーバーフェストの開催中にも事態が収束してくれることを祈るばかりだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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