おとり逮捕者で時間稼ぎ。危険ドラッグ業者のもくろみとは?
今年は4月、12月の二度の薬事法改正施行と例年になく危険ドラッグ規制が強化されるなか、ドラッグ業者の抵抗もさらに執拗になっている。そのもくろみをSPA!が先行暴露する
◆摘発された場合に検査の裏をかく形状
ドラッグ業者が昨今特に注力しているのは成分だけではなくその“形状”。国会では11月19日に再度、改正薬事法を制定。12月中旬から施行するとしたが、人体に直接摂取する形でない限りは、依然として販売が行えることに変わりないのである。
ところが、業者が切り出した内容はその逆をいくものだった。
「今、情報を出せるのはジョイント型(液体を気化させ水蒸気を吸って人体に摂取)、喉スプレー型(スプレーの霧を喉に吹きかけ摂取)、口臭予防シート型(シート状に成形された成分を舌の上で溶かして摂取)です」
この形状だと、販売できないのでは?という記者の問いに、業者は続ける。
「スプレーとシートは、おとり逮捕者を出して、その間に“本製品”を開発するための時間稼ぎです」
ジョイント型の製作意図は、さらに巧妙だ。
「バスソルトや葉っぱ型だと、所持していたときに検査されたりしますが、ジョイントの中身を調べるなんてことはまずない。だから、これはこのまま売るでしょう。都内ではもうプッシャー経由やメールでの販売が行われていますよ」
そして、彼らが本格的に売り出そうとしている製品とは、直接口内などに吹きかける香水型と、いろいろな箇所に塗るジェル型だという。料金は従来のリキッドやバスソルトなどと変わらず、グラム単位で4000円から5000円程度のようだ。
また、開発中のドラッグには大麻成分のTHCを抽出した“非合法モノ”もあるという。
「現在はジョイント型で2種類出回ってます。裏社会のユーザーから認知されれば、新たに企画・開発が進められ一般に流れていくでしょうね」
<危険ドラッグの形状>
●覚せい剤に似た岩塩
パウダーとは成分が同じだが、煮込み方の違いにより粒子が粗い。覚せい剤と酷似しているため、その雰囲気を味わいたい人が購入
●本丸 香水タイプ
香水の名目で販売予定。喉などに吹きかける、または液体を直接飲む。効き目がこれまでのリキッドの10倍であることがウリ
●鼻から直接吸引する筒型
ハートショットと同じく、規制前の成分を改良したもの。鼻に差し込んで直接吸引する。販売名目はまだ不明だという
●すでに流通。ジョイント型
単なるジョイントに見せかけ、単純所持時の罰則の裏をかく。実勢価格は9000~1万5000円で、大麻成分入りも存在する
●パウダー型はほかの形に転用
ハーブにも使われる成分をパウダー状にしたもので、リキッドに溶かす前の段階。ここからジェル型にも転用するとのこと
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