【格安SIMトラブル】どこに相談してよいかわからない。ショップ店頭で怒り出すユーザーも
広く注目を集める「格安SIM」(MVNO)だが、実は使いづらい面も多々ある。安さにつられて安易に手を出すと後悔することも……。「昨年から格安SIMに関するトラブルが増えつつある」とモバイル評論家の法林岳之氏が警告する
◆注意!サポートの使い勝手に期待してはいけない
MVNOについて多発している問題のひとつに「トラブルが起きたとき、ユーザーがどこに相談してよいかわからずキャリアショップに駆け込む」というものがある。
「ドコモから回線を借りているMVNOを利用している場合、スマホのロック画面には『NTT DOCOMO』の表示が出ますから、ユーザーとしてはドコモに聞けばいい――と思う。ですが、ネットワークのトラブルについては、ドコモも『MVNOに聞いてください』と言うしかない。それで、ショップの店頭で怒り出すユーザーが後を絶たないようです」
MVNOのサポートは電話対応のみで、キャリアのように街中にたくさんショップがあるわけではない。つまるところ、サポートにはお金が必要。それがMVNOの安さの理由でもある。
「さらに、キャリアと比べてサービスがこなれていない面も多々ある。スマホと回線をセットで売っている某MVNOでは、支払いを24回払いにしてしまうと繰り上げ払いができないなど、細かいところで融通がきかない部分が散見されますし、別のMVNOに至っては、サービス開始の記者発表でデータ通信の速度を質問されて答えられなかったくらいで、サポートの質についても推して知るべし」
現在、MVNOに参入している企業の多くがインターネットプロバイダであるが、近年あまり激しい競争にさらされてこなかった業界だけに、概して考えが「ヌルい」と法林氏は苦言を呈する。
「今、MVNOがウケてるからやってみよう――程度の安易な考えで参入しているところが多いように思います。そこで心配なのが、
『やっぱり赤字だからMVNOやめるわ』なんてことになった場合のセーフティネットがどこにもないこと。そのとき、電話番号はちゃんとほかの会社に持っていけるのか――といったリスクも考えなくてはなりません」
こうしたさまざまな手間やリスクを踏まえた上でMVNOを利用しないと、早晩「格安スマホ難民」になってしまうだろう。
<結論>MVNOは「2台目」で使うのが無難!
MVNOが本当に便利なのは、メインのスマホ以外に、2台目のスマホやタブレットを安く持ちたい――というような場合だろう。ライフラインとも言えるメイン端末では、やはりキャリア回線を利用するのがなにかと安心だ。
― 「格安SIM」に手を出す前に知っておきたい事実【3】 ―
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