格安SIM、通信速度&データ容量『無制限』という罠
広く注目を集める「格安SIM」(MVNO)だが、実は使いづらい面も多々ある。安さにつられて安易に手を出すと後悔することも……。「昨年から格安SIMに関するトラブルが増えつつある」とモバイル評論家の法林岳之氏が警告する
◆注意!『無制限』の謳い文句には落とし穴がある
昨年の夏ごろまでは「フルスピード(150Mbps)、データ通信量1Gバイトで月1000円」が格安SIMの相場だったが、その後、IIJが「2Gバイトで1000円」プランを発表、他のMVNOもそれに対抗する形でデータ通信量の増量や値下げに踏み切り、激しい価格競争が続いている。
「そんな中、『通信速度無制限』&『データ容量無制限』を謳うMVNOが増えてきたのですが、これは、『ネットワークの状況によっては速度が出ないこともあります』という但し付き。決して『フルスピードで好きなだけ使える』という意味ではありません。中には、100kbpsくらいのスピードしか出ない――というMVNOもあって問題になりましたね」
限られた回線をユーザー間でシェアしているわけなので、接続が集中するとスピードが落ちるのは当然。そこをフォローするには設備の拡充が不可欠だが、「MVNOがドコモから回線を借りるとき、そんなにポンポンと設備を増やせるわけではない。今月これだけユーザーが増えたから、来月から回線を倍にして――というわけにはいかないんです。そのあたりは計画性を持ってやらなければならないのに、無計画にお客さんだけを集めているように見えるMVNOも残念ながら存在しますね」
そんな「ハズレ」を引かないためにも、安定した評価を得ているMVNOを選ぶべき。
「そこはやはり『値段なり』ということになるでしょう。僕のイチオシは『IIJ』。きちんとネットワークについて研究している会社なので、安心感はピカイチです」
― 「格安SIM」に手を出す前に知っておきたい事実【2】 ―
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