生肉新基準に挑発的メニュー登場「ユッケホイル焼き」
今年5月、「焼肉酒家えびす」のユッケで起きた集団食中毒死亡事件を機に、10月1日から生肉処理に関する新基準が施行。当局と店側の攻防が激化している。そんななか、ユッケや牛刺しに代わる代替メニューを出す店が増えた。大部分は食材を馬肉に切り替えているが、創意工夫をこらして牛肉を維持し続ける店もある。
高級住宅街に構える有名店「K」のユッケ風メニューは、加熱処理をしてあるため薄いピンク色。店としては従来とは若干の味の違いがあるというが、店員曰く「店が気にするほど、お客さんは味の違いを気にしていないようです」という。
※10/25発売の週刊SPA!「厚労省VS焼肉店 仁義なきユッケ戦争」より
そして、挑戦的なメニューだったのが某店の「ユッケホイル焼き」である。アルミホイルに包まれたユッケが出てきた。店員曰く「生のまま食べられます」というが、ユッケはそもそも生ではないか。
「当店のユッケは網に乗せて焼いて頂くスタイルになっています。焼く時間に制限はありません。焼くか焼かないかもお客様の自由です」(店員)
ということは、ほんの一瞬、網に置いて戻しても良い?
「そういうことですね(笑)」
ユッケを食べるのにこのような茶番を強いられる現状を憂いつつ、考案者の意趣に感服した。特定のメニューだけを狙い撃つ新基準への、痛烈な皮肉に思えてならない。生肉に飢えていた取材班は、もちろんそのまま生でいかせてもらった。
店の涙ぐましい思索と努力、あるいは「火を通せばいいんだろ?」という行政への憤りを感じさせる。
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