「アイドルの追っかけしてました」で大学合格。AO入試の不可思議さ
“受験戦争”という言葉は過去のもの。高校生の学力低下が問題になり、さらに少子化で各大学が学生の確保に躍起になっている。そんななかで、新たな受験方法である「AO入試」の増加で大学の入試事情は大混乱しているようだ。
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<取材・文/週刊SPA!編集部>
AO入試では、変わり種から低学力者まで、いろいろな生徒が入学している。
慶應大学にAO合格した男子学生は、「お笑いの高校生大会予選で17連敗。恥ずかしくて最初は誰にも言えませんでしたが、17回トライした執念はアピールできるのかな」と語って見事合格したという。
根性系といえばこちらもすごい。
「アイドルの追っかけで寝袋に泊まりながら日本を縦断、その根性をアピールして合格」(中堅私大)
AOでは高校時代の活動が評価されるため、親や塾の先生に協力してもらって起業したなどという女子生徒も難関私大に合格。彼女の高校時代の友人はこう語る。
「実際は大人たちが全部やってくれた。彼女は高校生起業家として表に立ってはいるものの、用意された言葉で演じたたけ」。
なかには、ボランティア団体を設立したが「(実際は何もしていないので)ブログやツイッターで書くことがなくて、街角清掃に紛れて記念写真を撮ったり、親の知り合いの介護施設に見学に行ってお年寄りとの写真を撮りまくったりして、活動を盛りに盛った」(中堅私大)という生徒も。
さて、問題は入学してからのこと。早稲田・慶應レベルの文系学生でも、「受験時に数学を選択しなかった学生の5人に1人は分数の計算ができなかった」というデータがある。理系AOでは「数学の能力が低くて授業についていけないのはザラ」というありさまだ。
一般的にAO入学組は英語の能力も低く、ローマ字読みしかできない生徒も。それどころか日本語能力も怪しく、「ツイッターなどの短文は読めるがブログの長文記事だと要点をつかめない」(難関私大)。
「それでも、AO入学者は総じてコミュニケーション能力、ハッタリ力だけは高い。学力が低くても世の中をしっかり渡っていくツワモノも多いですから、まあたくましいと言えばそう言えるのかもしれません」(大手予備校講師)
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