川栄李奈「笑顔のAKB48卒業コンサート」レポート。ファンへの手紙は全部ひらがなだった!?
8月2日、さいたまスーパーアリーナで開催された『AKB48真夏の単独コンサートinさいたまスーパーアリーナ~川栄さんのことが好きでした~』で、‘10年にAKB11期生として加入した川栄李奈(20)の卒業セレモニーが行われた。この日は、AKBイチのおバカキャラとしてファンに愛されてきた川栄の魅力が詰まったセットリストが組まれ、会場に集まった1万8000人を魅了した。
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ライブの中盤には「RINA KAWAEI SHOW TIME」と題し、川栄自身が選曲したという「アイドルなんて呼ばないで」「キャンディー」「ハート形ウイルス」のアイドルソング3曲を披露。ピンクの衣装に身を包んだ川栄は、「あまりアイドルらしい曲をやったことがないので、アイドルらしい曲を選ばせてもらいました!」と笑顔を見せた。その後、横顔を見つめていた総監督・高橋みなみのほうを向き、「私、たかみなさんに言っておきたいことがあって。たいしたことじゃないんですけど」と急に切り出し、「ずっと努力は報われるのかなって思っていたんですけど、たかみなさんが私たち後輩に背中で見せてくれて、ずっと助けられました」と涙ながらに感謝の言葉を伝えた。思わぬタイミングに高橋も「いいこと言ってくれるじゃないかなぁぁぁ」と感極まる。「じゃあ、私は着替えに戻りますね!」と早々にステージから去っていく川栄に、「そんなことを言い捨てていくのかよ~」と、ツッコみ会場が笑いに包まれた。
この後も川栄のAKB48での歴史を振り返る映像とともに、研究生から昇格して所属することとなった大場チーム4、横山チームA、高橋チームAなどのメンバーと楽曲を披露。アンコールでは1人、ピンクのドレス姿で登場した川栄がファンに向けて手紙を読みあげ、「AKBに入る前の私は、何の夢も持たず、ただ毎日同じような日々を過ごしていました。ダンスも歌も苦手で公演に出れば1人踊れず、真ん中でずっとつっ立っていました。当時の私はやりたくないからやらない、できない、もう無理とすぐに投げ出していました。でも、そんな私にも『応援しているから頑張ってね』と温かい声を掛けてくれるファンのみなさんがいました。5年間こんな私を支えて応援してくださった方々、本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。また、卒業後に女優の道へ進むことについても、「これから先、何が起こるか分からないから、私はやりたいときにやりたいことをやろうと思いました。いつかテレビや舞台でたくさん活躍する姿をみなさんに見せることが、私なりの恩返しだと思っています」と、涙を流しながら頭を下げた。
会場がしんみりムードになるなか、「いやいや、ちょっと待って! なにしんみりしてんのよ、らしくないじゃん!」と高橋みなみを始め、メンバーたちがステージに登場。さらに、「チラッと見たら、全部ひらがなだった(笑)」と暴露され、会場は大ウケ。その後、テレビ番組『めちゃイケ』の企画から生まれた川栄の代表曲「ハステとワステ」をメンバー全員で披露。そして最後に出演メンバー109人が作った花道と会場からの“りっちゃん”コールで見送られた川栄は、「ありがとうございました。バイバーイ!」と笑顔で手を振り、感動のステージは幕を下ろした。
昨年5月に握手会襲撃事件が起こり、不幸にもその被害者となってしまった川栄李奈。「この先、何が起こるか分からない」という思いは、女優への夢を強く後押ししたことだろう。その事件が起こる数日前に彼女は「AKB48で自身はどういう役割だと思いますか?」と聞かれて、少し悩んでから「私は親しみやすい存在でいたいんです」と答えていたという。
「私、全部普通なんですよ。だから、親しみやすいアイドルを目指しているんです。例えば、渡辺麻友さんは正統派のアイドルだから『AKBってすごいアイドルだな』って思うじゃないですか。その端っこに私みたいなのがいれば、『この子は普通だな。自分もAKB入れるかもしれない!』っていう小さい子たちの夢を広げられたらいいなと思うんです」
そんな想いのすべてが、どこかほっとけないアイドル・川栄李奈の愛される所以に違いないだろう。今後は、アイドルから女優へと活動のステージは変わっていく。そのときに彼女が、どのような存在に成長していくのか期待したい。
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〈取材・文/吉岡 俊 写真提供/AKS〉
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