ツイッターで【自己陶酔系ポエム】を披露する人たち
ツイッターを見ていて、一般人が半径5mの日常で辿りついた「マイ金言」「マイ真理」にイラッとさせられた経験はないだろうか。今回、せきしろ、峰なゆかの両氏が、そんな“ドヤ顔ツイート“をばっさり品評する!
【ポエム系】
求めてもいないのに日々披露されては流れてゆく、自己陶酔系ポエムの数々
◆二酸化炭素の代わりに嘘を排出して生きていきたい。
(20代? 男性)
峰:反抗期なのか、それとも、いろいろ否定したい年頃なんでしょうか?
せきしろ:「二酸化炭素の代わりに」のあとに「嘘」をはめることで、個性を出したんでしょうね。そこに入るのは、「言葉」でも「怒り」でも、ちょっと恥ずかしいけど「歌」でもいいんです。それを「嘘」にしたっていう、考え抜いた跡が見えていますね
◆イケイケの池袋、カスカスの霞が関
(27歳 男性 営業)
せきしろ:これまた、「オレ、結構うまいことを思いついちゃった」というパターンですね
峰:「シブシブの渋谷」「ハラハラの原宿」でも、何でもあてはまりますね。この地域を選んだというのは、「オレは池袋でイケイケだぜ」っていう埼玉の人なのかな?
◆中央線にてGo West。新宿で降りる客、乗り込む客。僕の隣の席には白髪のご婦人が座って樟脳の匂いをプンと漂わせていて、僕は昆虫採集のケースの中でトンボの羽根が折れていたことを思い出す。虫の朽ちていく匂いとナフタリンの匂いと。曇り空。灰色の屋根屋根。結ばれぬ靴ひも。揺れる吊広告。
(?代 男性 会社員)
峰:「寂しげな空気、並べました」っていう感じ、ポエム系には結構多いですね。一見、ナフタリンを情緒ある言葉のように使っていますが、実は防虫剤という……
せきしろ:これ、制限文字数ピッタリに合わせようとしているのでは。ツイートというより「作品」になっている。好きな人は好きだと思いますよ。あるあるネタを、あるある以上に昇華させているというのがいいですね
◆ビッグマックいっこが自分の口に入ったので世界経済200円分動かした。
(20代 女性)
峰:私が一番苦手なのはこれかな(苦笑)。「日常の何げないワンシーンを、ちょっと違った角度で見れる私」という、“自分コジャレてますよ”アピールがまた腹立つ!
せきしろ:これが会話だったら「うん、そうだね」と相槌をしてしまうか、あるいは聞こえないふりをすると思います
【峰 なゆか氏】
小誌で漫画「アラサーちゃん」を連載中。ブログに掲載した4コマ漫画+描き下ろしによる単行本『アラサーちゃん』がメディアファクトリーより発売中
【せきしろ氏】
文筆家。小誌連載「バカはサイレンで泣く(https://nikkan-spa.jp/bakasai)」選者。日常の機微を自由律俳句で詠んだ『カキフライが無いなら来なかった』(共著、幻冬舎)など著書多数
イラスト/マミヤ狂四郎
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