就活のカリスマ常見陽平氏が語る「ソー活の現状」
―[ソー活で加速する残念な就職格差]―
ここ最近、徐々に話題に上りつつある「ソー活」。facebookやTwitterを中心としたソーシャルメディアを活用し、双方向で行なう就職(採用)活動のことだが、果たして、いつごろから存在していたのだろう。就職ジャーナリストの常見陽平氏にソー活の変遷について聞いてみた。
「ソー活の定義は難しいですが、ウェブを使った就職活動でいえば、00年代には就活情報共有サイト『みんなの就職活動』が始まっていました。そして、07年半ばくらいからmixiで就職関係のコミュニティが立ち上がったり、08年にはTwitterが台頭して、Twitter採用やOB訪問がでて話題になりました。そして10年秋ぐらいに、Facebookの企業ファンページなどがブレイクしはじめたんです」
時代ごとに人気のSNSが、就職活動に結びつくのは納得。だが、ここまで活発化するには、なにか背景があったのだろうか。
「ひとつにはこれまで10月から始まっていた採用広報活動を、日本経団連が会員企業に12月1日以降のスタートにするよう要請したこと。そこで、企業側が“グレーゾーン”の部分で、学生と接触するツールとしてSNSを使っている。もうひとつは、『リクナビ』や『マイナビ』などナビサイトの需要の縮小。ナビは便利ですが、誰もが使うので学生の精査ができない。『ナビではいい人材は集まらない』と企業側もわかってきたので、もうひとつの採用チャンネルとしてSNSを利用し始めたんです」
そうなると、企業側は、SNSを使いこなせる学生ほど優秀な人材だととらえているのだろうか。
「『SNSが使える=優秀な学生』だとは限りません。むしろビジネスコンテスト優勝者や語学の達者な帰国子女などの即戦力が学生のほうが求められる可能性が高い。優秀な学生もいますが、それは一部。実際、学生が自分のプロフィールを“盛る”ことも多いので、そこまで企業も当てにはしていないと思います。現段階では、あくまで『一部の優秀な生徒』の発掘というレベルでしょうね」
【常見陽平氏】
人材コンサルタント。多数大学での非常勤講師としても活躍。近著に『就活の神さま』など
― ソー活で加速する残念な就職格差【5】 -
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