クレーム電話はいったん切るのが得策!?
お客からのクレーム電話。話を聞いているうちに単純に相手が誤解していることに気づいた。そんなときは、どう対応すればいいのだろう?
こちらに非があれば謝り倒すのみだが、誤解となれば話は違う。相手をこれ以上怒らせることなく事実を指摘したいが……。
「例えば、商品を購入したお客さんが単純な操作ミスをしていると判明した場合でも、『電源のランプは確認しましたか?』『説明書は読んでいただけましたか?』などと事務的な対応をするのはいただけません。お客さんは『簡単そうなイメージと違った』『期待を裏切られた』などさまざまな気持ちを抱いているはずですから、怒りを煽ってしまいます。『説明書の内容が不十分でした。このお電話で補足したいのですが、よろしいでしょうか』と、それぞれが求めることに合わせた丁寧な対応をしましょう」(話し方研究所会長・福田 健氏)
さらに、あまりに相手の怒りが激しい場合は、「『早急に確認して折り返しご連絡させていただきます』といったん電話を切るのが得策」だと心理学者の内藤誼人氏は言う。
「時間をあける戦略は心理学的には“タイムアウト“といい、いくらカッカしていても平均2分間あければほとぼりが冷めるという統計もあります。個人差を考えても、5~10分程度あければ確実に前より落ち着いているはずです」
クレーム処理は急がば回れ。事実の指摘を焦ると結局はこじれて長引くことになりかねないのだ。
【福田 健氏】
話し方研究所会長。コミュニケーション全般についての研究や講演・執筆活動を行っている。『世界一役に立つ「話し方」の授業』(PHP研究所)など著書多数
【内藤誼人氏】
心理学者。立正大学特任講師。豊富なデータを駆使し、ビジネスや対人関係に実用的なアドバイスを送る。『「人たらし」のブラック謝罪術』(だいわ文庫)など著書多数
イラスト/もりいくすお
― すべてが好転する奇跡の謝罪力養成講座【10】 ―
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